――中国はデジカメの生産拠点としてだけでなく、デジカメ販売の市場としても期待していますか?
小松氏: もちろん中国での販売にも力を入れています。私が約2年前に万里の長城に登ったときは、中国人観光客の多くはフィルムカメラを持っていましたが、今ではデジカメがほとんどです。中国のデジカメ市場は我々が予測した以上のスピードで拡大し、今やフィルムカメラ市場は急速に縮小しています。古いものがまだ伸びている途中で、それを飛び越える勢いで新しいものが普及する流れは、デジカメに限らず中国では見受けられます。
――中国のデジカメ市場を分析してください。
小松氏: 中国全体で経済格差が広がっていることと同じように、中国のデジカメ市場も二極化の傾向があります。沿岸部に住む裕福な層は、デジカメをステイタスのひとつととらえ、少しでもスペックや付加価値が高い製品を好みます。CCDの画素数が多く、レンズのズーム倍率が高いものが人気です。また特徴的なのは、液晶モニターのサイズや画素数にこだわる人が非常に多いことですね。画像を人に見せて楽しむ使い方が、日本以上に広がっているようです。
その一方で、安価な製品に対する需要も大きなものがあります。多くのコンパクトデジカメの中国の価格は2000〜3000元程度ですが、これは平均的な月収の1.5〜2倍相当です。まだまだデジカメを高価に感じる人も数多くいます。
当社としては、デジタル一眼レフ機から高倍率ズーム機、薄型のスタイリッシュ機、低価格のローエンド機まで幅広いラインアップを揃え、多様なニーズに応えていきたいと思います。
中国で作る日本のデジカメ――オリンパス中国工場リポート・後編
デジカメ市場を勝ち抜くには、高品質を維持しつつ、いかに生産の効率やスピードを高めるかがカギ。オリンパスの中国工場では様々な工夫を凝らし、品質とコスト、スピードの両立を図っている。前編に続きデジカメ工場をリポートしよう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR