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地図マニアにはたまらないシンプルGPS――ソニー「GPS-CS1K」レビュー(3/3 ページ)

» 2006年08月23日 10時53分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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 より実際の利用シーンを想定した使い方をと考え、今回は利用開始時以外はGPSが受信しているかはまったく気にせず、GPSをカバンにぶら下げたままで地下街を通行したり、電車に乗ったり、バイクを運転したりしながら先々で写真を撮ってみた。屋内などで電波を受信しない瞬間もかなりあったはずだが、地図へ撮影した画像をのせてみたところ、予想以上にしっかりと位置情報が記録されていて驚いた。

photophoto 一定の範囲内に複数の画像が存在する場合はフォルダ表示される(左)、本来ならばGPSの電波が届かないはずの地下街(丸ビル地下)で撮影した画像にもしっかりと位置情報が付加されていた。写真のタイムスタンプと、前後の位置情報から推測したものと考えられる(右)

 画像を地図へ展開して眺めるだけでも(個人的にはかなり)楽しいが、画像が展開された状態の地図を、テキストファイル(写真の位置情報や撮影時間などがTXTもしくはCSVで保存される)や画像ファイル、HTMLとして保存することもできる。テキスト/HTMLへの保存は今ひとつ使い道を思い浮かばないが、画像保存は汎用性の高いBMP形式での保存となるので、ブログなどでオススメスポットの紹介をするときなどに役立ちそうだ。

photo BMP形式で保存した写真付き地図

 地図へ写真を配置すると気になるのが縮尺。付属の「Super Mapple Digital Ver.7 for Sony」は最も詳細な表示にしても1/10000の縮尺までしか拡大できない。この縮尺でもおおよその位置を把握するには問題ないが、「駅の改札を左に出て3軒目の裏手にあった、あの店おいしかったよ!」というような徒歩圏内の情報はうまく伝えられない。せめて1/3000までは拡大して欲しかったと思う(ちなみに、地図情報サイトマピオンは最大で1/1500まで拡大できる)。

Google Mapとの連携も可能

 「GPS」といえばなにやら日常生活から縁の遠いもの印象を持ってしまいがちだが、携帯電話やカーナビでは既に広く利用されているほか、腕時計タイプのユニットもいくつか登場している。ソニーも「PCQ-GPS3S」などの小型ユニットを2000年に発表しており、「デジカメで撮影した画像を、地図にはり付けて楽しむ」という提案はそこでも行われている。この製品を知っているユーザーからすれば、6年ぶりのリバイバルとなるわけだ。

 技術としては“枯れた”領域に入りつつあるGPSだけに、使い勝手の向上とあらたな使い方の提案が求められるはず。そうした意味では、本製品に対しては不満も感じる。

 デジカメ画像の地図展開には「GPSログファイルを本体に取り込む」――「デジカメ画像を取り込んでマッチングさせる」――「生成したファイルを地図へドラッグ&ドロップする」という3ステップが必要となるし、本体サイズも気軽に携帯できるとは少々言い難い。アプリケーションについても、ブログへの公開がスムーズにできるような仕組みや、PSPソフト「みんなの地図」との連係機能が用意されても良かっただろう。

 とはいえ、GPS自体の精度は非常に高く、地図へのマッチングも正確だ。利用するPCに「Picture Motion Browser」か「Cyber-shot Viewer」がインストールされていれば、Google Map上に画像を表示させることもできる。決して万人向けのツールではないかもしれないが、使い方次第ではかなり楽しめるアイテムだ。

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