本製品と上位モデルの「DMR-XW50」が備えるのがSDオーディオにも対応する音楽機能だ。音楽CDをHDD内へ録音、再生が可能なほか、前面のSDカードスロットにSDメモリカード(もしくはアダプタを装着したminiSD/MicroSDカード)を装着すると、HDDからSDメモリカードへ音楽を転送できる。SDオーディオに関しては対応オーディオコンポによりPCレスの利用が可能だったが、もう1つ、PCレスで利用できる選択肢ができたことになる。
便利なのは、Windows MediaPlayerなどでも利用されている「gracenote」のCDDBデータベースがHDD内に収録されており、CD録音時にアルバム名や曲名を自動設定してくれること。筆者の手元にあった音楽CDでは、インディーズレーベルも含め、なんら問題なく正常にアルバム名や曲名を設定してくれた。また、この時はわざとインターネットには接続しないでおいたが、HDDに収録されたCDDB内にマッチするデータが見つからない場合、インターネットに接続されていれば「gracenote」の最新データベースにアクセスしてアルバム名や曲名を取得してくれる。
HDDへの録音は、LPCM(非圧縮)にくわえ、AAC XP/SP/LPモードでの録音が可能。XP/SP/LPはSDオーディオの128K/96K/64Kbpsに相当するようだ。なお、LPCMでHDDに録音した場合、SDメモリカードへは転送時にXPモード、つまり128Kbpsにエンコードされる。LPCMに対応するあたりは結構こだわっている機能だと感じた。またXP/SP/LPモードで録音を行なった場合、録音時はLPCMでHDDに取り込みを行い、電源OFFの時に自動で圧縮を行なってくれる。もちろん圧縮前の状態でも、設定した録音モードでの圧縮を行ないつつ、SDメモリカードへ転送することが可能だ。
マニュアルでは圧縮には再生時間分を要するとなっているが、これは電源OFF時の圧縮の場合のようで、消費電力や動作音を考慮しているのだろう。圧縮しながらのSDメモリカードへの転送は再生時間の1/3〜1/5程度で済んだ。イマドキのPCと比べれば、録音も圧縮も速いとはいえないが、これまでMDなどを利用していた人が本製品の購入を機にシリコンオーディオプレーヤーに乗り換える、といった場合には必要十分だ。ITmediaの読者なら、PCの苦手な家族向け、という意味でも実用性の高い機能だと思う。
ちなみに、2GバイトのminiSDメモリカードに音楽を転送し、SDオーディオに対応したNTTドコモ「N902ix」で再生してみたが、アルバム名や曲名なども含め、なんら問題なく音楽再生が行なえた。
DVDへのダビングは、DVD-RWへのCPRM/VRフォーマットに新たに対応し、これでダビング可能な全てのDVDメディアにデジタル放送をムーブ可能になった。ダビング対応メディアはDVD-R DL/DVD-R/DVD-RW/DVD-RAMとなり、それぞれ4倍速/16倍速/6倍速/5倍速をサポート。ただしマニュアルには、DVD-Rでは最大12倍速、DVD-RWでは最大4倍速になると表記されている。
ダビングのテストは8倍速対応DVD-R DL/16倍速対応DVD-R/6倍速対応DVD-RW/5倍速対応DVD-RAMを用い、それぞれのメディアにほぼ一杯になるように高速ダビングを行った。DVD-Rに関しては、いつも通り国産メディアにくわえて台湾製も利用。書き込み品質のチェックはPCを利用した簡易計測環境だ。
ダビング時間に関しては特記すべき点はない。DVD-R DL/DVD-RW/DVD-RAMに関しては概ねマニュアルスペック通り。DVD-Rは概ね8倍速程度となり、従来製品の「DMR-EX350」より遅いが、この点に関してはダビング品質も絡めて評価したい。
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