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手軽さが信条、FMトランスミッターも内蔵――シャープ「MP-S700」レビュー(2/2 ページ)

» 2006年09月29日 09時27分 公開
[小山安博,ITmedia]
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クルマに便利なFMトランスミッターを内蔵

 同社製品の特徴でもあり、あまり他社製品に類を見ないのが、FMトランスミッターの内蔵だ(グリーンハウスの「GH-KANA-GT」などもFMトランスミッターを内蔵している)。FMトランスミッターは、FM周波数を使って音源をFMラジオに飛ばし、ラジオのスピーカーから音楽を再生するための機能だ。

photo トランスミッターの周波数設定画面

 ステレオミニジャックなどを利用してプレーヤーに接続する、外付けタイプのトランスミッターはアクセサリとして各社から登場しているが、本製品は本体内にその機能を備えるのだ。

 FMトランスミッターが活躍するのはやはり車内だろう。自宅のステレオ機器で利用してもいいが、FM波を使う以上、有線より音質が低下するのが気になってしまう。車内はそもそも騒音のある環境だし、運転中であれば過度に音楽へ集中するわけにもいかないので、FMラジオレベルの音質でも結構我慢できる。

 そうはいっても、好きな曲を集めた本製品を聞きながら自宅に帰ってきて、そのままFMトランスミッターをオンにしてラジオのスピーカーから続きを聴く、なんて使い方も便利だし、そのシームレス感は楽しい。

 FMトランスミッターはメニューボタンからオン/オフ切り替えが可能で、使用する周波数は85.1〜88.9MHzまで、0.2MHz刻みと細かく変更できる。通常のFMトランスミッターでここまで細かく変更できるものは少ないと思うので、これは素直に便利だと思う。

シンプル&気軽なプレーヤーを求めるユーザーへ

 そのほかダイレクト録音にも対応する。CD/MDプレーヤーといった機器から直接、楽曲を録音できる機能で、本体底面のUSB端子に付属のケーブルをつなぎ、ステレオ機器のミニプラグに差し込めばいい。

photo USB端子とヘッドフォンジャックは本体底部

 録音はメニューボタンで「録音モード」を選び、側面の録音ボタンを押すだけ。メニューボタンから録音レベルが高/中/低の3段階、録音音質も高(128kbps)/中(112kbps)/低(96kbps)の3段階で選択できる。約3秒以上の無音部分を検出するとファイルを分割する「シンクロ録音」も設定できる。

 記録されるのは拡張子が「.szm」という独自形式で、PC上では再生できない。音質も高ビットレートのWMAやMP3に劣るようなので、MDやカセットテープ、レコードの曲を本製品で持ち歩きたい、という場合に使うと便利だろう。

 実用的な機能としてはボイスレコーダー機能も搭載。電源投入時のモード選択画面で「ボイス」を選んで録音ボタンを押すだけと、こちらの利用も簡単。ダイレクト録音と同様に録音レベル、録音音質がそれぞれ3段階から選択できる。この機能で録音した音声を聴くのに、前述のAB間繰り返しや再生速度変更機能は便利だろう。

 楽曲の管理にはWindows Media Playerを利用する。付属ソフトとして「音楽CDデータ転送ソフト」もあるが、これはCDドライブにセットした音楽CDを自動的に本製品のメモリにに転送するだけのソフトだ(PCに楽曲ファイルは保存されない)。楽曲を管理するためにはWindows Media Playerが必要だ。

 本製品は見た目こそはやや奇抜かもしれないが、非常にシンプルなポータブルオーディオプレーヤーといえる。機能に突出した部分こそないものの、その分だけ安心して利用できる。ビデオやゲームはいらない、音楽を気軽に再生し、気軽に録音し、気軽に持ち歩く――そんな使い方に応えられる製品といえる。

photo 付属のヘッドフォン
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