最大の特徴、スライド式スピーカーを見てみよう。スピーカーは本体の背面に本体とほぼ同サイズで用意されており、ずらすようにしてスピーカーを引き出して使用するスタイルとなっている。スピーカーを展開すると画面も縦から横へ表示が入れ替わる「オートピポット」機構が搭載されているほか、イヤフォンが差し込まれていてもスピーカーがオンになる。
スライドはスムーズに行えるが、完全にスピーカーを起こす際にはほんの少々だが力を入れる必要があるため、カバンやポケットの中で展開してしまうといったことはないだろう。また、このような可動ギミックが搭載されていると耐久性が気になるところだが、同社によれば6万回の可動テストが行われたとのことで、心配はいらないようだ。
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スピーカーの間隔が狭いためにステレオ感には乏しいが、そのスピーカーを駆動するアンプは750ミリワットの出力を持ち、卓上で音楽を楽しむには十分な音量を提供してくれる。ノートPCで音量を上げた際に散見される音のひび割れも感じられない。BGM用として利用するには十分なクオリティと言える。
付属イヤフォンも特徴的だ。タイプとしてはインイヤータイプに分類されるが、イヤーパッドがボーズの「Bose in-ear headphones」のような形状をしており、耳に差し込むと言うより、“耳に乗せる”ようにして装着するタイプとなっている。
このイヤフォン、「Bass Enhanced Earphone」と名付けられているよう、低音を前面に押し出すセッティングがなされており、ジャズのウッドベースやロックのバスドラなどが心地よく感じられた。ただ、全体的なバランスからすれば低音を重視過ぎているきらいもあり、中域の厚みや高音域のヌケはスポイルされているようにも思える。
「YP-K5」はスピーカーを搭載することで、ポータブルプレーヤーの利用場所を拡大したほか、これまでの製品がほとんど行ってこなかった、「音楽を共有する」という提案を行う製品だといえる。
キャンプや旅行といった外出先のほか、自宅や友人宅、学校、職場など、さまざまな場面で音楽を友人と共有することで得られる楽しみというものがあるはず。携帯性だけを考えれば本製品はやや大柄だが、それをカバーするだけの魅力も備えているといえる。
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