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顔認識や高感度機能がついたハイエンドサイバーショット――ソニー「DSC-T100」レビュー(3/5 ページ)

» 2007年03月01日 08時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 そんな中で、新機能が「顔認識」。オート時とポートレートモードでは「顔認識機能」(同社の表現では「顔キメ」)を使うことができる。

オート撮影とポートレートモード時に顔検出機能のオン・オフができる
人形の顔で顔を検出させてみた。検出時はこのように白い枠が表示される

 室内など暗めの場所ではやや認識が遅れることもあるが、後発の分、多少斜めを向いても追従するなど強化されており、かなり実用的。キヤノンや富士フイルムの同等機能と同じように有用だ。これをプログラムオートモードでは使えないのが残念である。

 顔認識にともない、フラッシュの光量をうまく調整する「インテリジェントフラッシュ」を新搭載したほか、肌色の再現性を上げるよう画質のチューニングがなされるなど細な改善も施されている。これまでのモデルでは肌色が白っぽく写る傾向があったため、人物を撮ったときの印象は前モデルとはかなり変わって見えるはずだ。

 再生時の機能も強化され、カメラ内でソフトフォーカス、クロスフィルタ、魚眼フィルタなどをかけることができるカメラ内レタッチ機能がついた。カメラ内音声付きスライドショーを使い、ハイビジョン出力にも対応ということで、カメラ内で画像を加工する機能は悪くない。ここまでやるなら、ホワイトバランスや露出を調整する機能も付けて欲しかったかな。

 動画は相変わらずMPEG-1でハイビジョンにも未対応(640×480ピクセルまで)。そろそろMPEG-4やハイビジョンサイズの撮影にも対応して欲しい頃だ。

 液晶モニターは3インチ。クリアフォト液晶プラスを採用し、色再現性も上がっている。これは見やすくて、撮るときも再生するときもいい。特に視野角が広いので、ローアングルやハイアングルなど斜めから見ながら撮るときに有効だ。

側面にバッテリーとメモリースティックDuoが。バッテリーは普通のリチウムイオン充電池で、インフォリチウムではない
コネクタは底面にあるこれだけ。汎用性のない独自形式のコネクタなのでパソコンやテレビとつなぐときは専用ケーブルが必要だ。別途USB miniB端子を持っていると便利なのだが。

 バッテリーはGタイプのリチウムイオン充電池。撮影枚数はCIPA規格で約340枚と十分な容量だ。ただ、今回からインフォリチウムタイプではなくなったため、詳細な残り容量表示はない。これは残念な点といえよう。

 記録メディアはもちろんメモリースティックDuoである。

T100は大人の日常デジカメにいい

 このように、デザインコンセプトはサイバーショット Tシリーズをそのまま受け継いでいるためマイナーチェンジに見えるが、中味は大きく進化した。画質面での進化もあるし、メニューデザインが一新されてSONYっぽくなったのは高く評価したいところだ。シリーズ製品のいいところを受け継ぎつつ、一歩前に踏み出したのがT100といっていい。

 相変わらず片手でさっと扱えるレンズカバーは使いやすいし、35ミリからはじまる手ブレ補正付5倍ズームは便利。高感度時の画質も上がった。屈曲光学系なので、撮るときはもちろん、撮ってすぐカメラをポケットにしまうときもレンズがひっかからなくていい。

 テレビなどへのハイビジョン出力がオプションなのと、動画機能が進化してないのが不満ではあるが、モノとしての完成度は高い。

 液晶モニターは3インチもいらないから、もっと小さくて薄いのが欲しいという人は同時に登場した「DSC-T20」(関連記事)を、大画面で高級感のある薄型スタイリッシュコンパクトが欲しい大人はT100を、って感じだ。

 次はハイビジョン動画をっ。

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