こだわりユーザー注目の薄型テレビ「東芝 REGZA」に、ニューモデル「H3000シリーズ」が登場した。内蔵HDDやeSATA外付HDDを使った多彩な録画機能やREGZA最大の52V型など、従来のハイエンド機Z2000を超えた機能を持つ新H3000シリーズについて、REGZAシリーズの企画・開発メンバーに話を聞いた
東芝は、液晶テレビ「REGZA」(レグザ)の新製品「H3000」シリーズを発表した。最大52インチとハイエンドの「Z2000」シリーズを超えるサイズをラインアップしたほか、Hシリーズの特徴である録画機能を強化。外付け用のeSATAインタフェースを備えた。
アイ・オー・データ機器がeSATA対応の外付けHDD製品6モデルを発表した。東芝が同日リリースしたハイビジョン液晶テレビ“REGZA”「H3000シリーズ」の増設HDDとして利用できる。
東芝は液晶テレビ「REGZA Z2000」向けに、一覧性を向上させた番組表「レグザ番組表・ファイン」が利用可能となるバージョンアップサービスを提供する。
東芝“REGZA”の「20C2000」は、上位機種に匹敵する画質を備えた小型液晶テレビだ。IPS液晶パネルに上位モデルと同じ映像エンジン。20インチクラスでは、ほかに例がないほど画質を優先している。
東芝が、液晶テレビ“REGZA”新製品として20V型「20C2000」を発表。“小サイズ画面”ながら、同社の大画面フラッグシップ機でも使われている高画質エンジン「新メタブレイン・プロ」を搭載した“こだわり仕様”が特徴。
先日、東芝が発表した新しいREGZAには、同シリーズ最大の特徴である映像エンジン「メタブレイン・プロ」の最新バージョンが搭載されている。今回は、製品版相当という「Z2000」の37インチモデルで、その効果を検証してみた。
東芝は液晶テレビ「REGZA」3シリーズ計12モデルを一気に発表した。とくにハイエンドの「Z2000」シリーズは、外観を一新したほか、3系統のHDMI端子、新「メタブレイン・プロ」、HD DVDを意識した画作りなど注目点が多い。
東芝「REGZA」は、「メタブレイン・プロ」の全面採用など画質を全面に押し出し、テレビの原点回帰をうたった新ブランドだ。そして、シリーズ共通のデザインにも同じ思想が流れている。“face”に代わる東芝の“顔”は、どのように生まれたのか。
東芝は2月21日、薄型テレビの新ブランド「REGZA」(レグザ)を発表した。「face」から実に8年ぶりの全面的なブランド変更。同時にHDDを内蔵した「H1000」シリーズ3モデルとスタンダードな「C1000」シリーズ3モデルをリリースしている。
試用したH3000の52V型モデルは、従来、REGZAシリーズが採用してきたIPS(In-Place-Switching)型パネルではなく、VA(Virtical Alignment)型パネルを採用している。
現在、発売されている液晶テレビのほとんどは、IPSかVA、いずれかの方式をベースにしたものだ。ご存知の方も多いだろうが、一般論として、VAはコントラストが高く白から黒にかけての応答速度が速い。一方、IPSは視野角が広く、中間輝度領域での応答速度が速いなどの特徴がある。H3000のうち大型の2機種、すなわち46V型と52V型のモデルがVAパネルだ。
VAパネル採用によるコントラストの高さは、一目見てわかるほどだ。適切な明るさにバックライトを調整して視聴したとき、白ピークがきれいに伸びていくことで、メリハリ感や鮮鋭感が印象的。もちろん、より暗めのバックライトと組み合わせれば、黒レベルを抑え、暗めの映画を視聴する時に適した設定にすることもできる。
もう1つ、第一印象で感じたのは、“温度感”の違いである。例えば筆者が普段使っているZ2000の42V型は、ややソフトめのトーンカーブとウォーミーな雰囲気を基礎の部分に持っており、調整で追い込むと実に優しい雰囲気の絵に仕上げることができる。これはH3000シリーズの42V型モデル(Z2000の42V型モデルとほぼ同じだが、H3000の方がコントラストや暗部表現が改善されている)でも同様である。
しかし52V型モデルはニュートラルな色調で、黒側がギュッと引き締められたような印象を持った。通常のテレビとして使うには、こちらの方がしゃっきりとして見栄えがいい。あくまでも好みだが、同じREGZAでも映画ならIPS系、ビデオ系ソースならばVA系の方が良く合う。
また、従来機がやや不得手だった赤の表現が大きく変化しているのを確認できた。高純度の赤が朱色方向にシフトしがちだった従来のREGZAだったが、この点は明らかに改善されている。また青、緑といった色の純度も上がっている印象。肝心の肌色は、やや濃厚に色が載る傾向を感じた従来機よりも、階調感を損なわない程度に、ほんの少しだけ明るく見える。
もう1つ、明らかに従来機と異なっているのが、暗部の表現だ。暗いシーンでの暗部階調は従来から良かったが、全体が明るい場面では黒側の階調が見えにくかった。完全に潰れているわけではないが、周囲の明るさとダイナミックガンマの働きの両方で見えづらくなる。H3000では輝度2%ぐらいの暗い部分の階調を広めに見せているようで、黒潰れの感覚は大きく緩和されている。
52V型モデルのパネルは、標準仕様よりも色再現域が広いものを使っているとのことだが、Zシリーズで積み上げてきた絵作りを基礎に、全体のバランスを崩さずにパネルの特性を上手に生かした絵へと仕上げられている。
筆者宅のリビングは、約20畳ほどのスペースでテレビ画面から視聴位置まで約3.5メートルほど。52V型というサイズは、ハイビジョンテレビ視聴にはジャストフィットだ。映画ファンならば、もっと近く2メートル以内での視聴が適しているだろう。夜の照明環境はダイクロックミラー付きハロゲンランプ12個を使っているが、テレビ周辺は150ルクス程度になるよう調整している。
この環境でテレビ番組を見る際に適していたのは、画像モードの「テレビプロ」。その上でバックライト輝度をやや上げ、ダイナミックガンマをデフォルトよりも下げて4に、ユニカラーを90から93に、シャープネスをややマイナス方向に合わせた。
照明の色温度が低いため、もっと低くても良いのだが、テレビ番組の多くは高めの色温度を想定しており、テレビプロのデフォルトである色温度「中」のままがバランスよくはまる。
画質調整を行う上で、もっとも調整しがいのある項目は、おそらくダイナミックガンマだろう。H3000は従来のZシリーズと同等の色調整が可能になっているが、ダイナミックガンマは従来とは若干、調整方法が異なる。
Z2000までは、画像の状況に応じてトーンカーブを変化させるダイナミックガンマを、各画質モードごとに変えていた。例えば「あざやか」のダイナミックガンマ「中」と「映画プロ」のダイナミックガンマ「中」は、表示は同じ「中」でも動作が異なる。各モードで想定する使われ方ごとに、エンジニアが最適値を「中」に設定し、それをユーザーが微調整するという考え方だ。
しかし、ダイナミックガンマの動作は設置環境や好みによっても、最適な動作幅は変わってくる。東芝はH3000において、このパラメータを0〜10の絶対値で調整可能にし、どの画質モードでも全調整幅の範囲で好みの値を選べるようにした。
筆者の場合、映画系のソースでは2程度、一般的なテレビ番組は4ぐらいが適切と感じた。つまり比較的動作の幅を小さくしたのだ。パネルのコントラストが高くなり、さほど動的なトーンカーブ調整を行わなくとも、十分にコントラスト感が出ているためだ。
技術やスペック、機能の数にこだわるのではなく、実際にユーザーとして使った時に、どんな仕様になっているのが使いやすいか。当たり前のことを、当たり前にきちんと実装しているところに、REGZA開発チームのセンスと情熱を感じた。
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提供:株式会社 東芝
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年6月22日