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液晶テレビの付加機能をコストに換算してみようパーソナルTVバイヤーズガイド(後編)(2/3 ページ)

» 2007年06月01日 17時56分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 側面や前面にAV入力を備える製品も多いが、ビデオ入力はS端子どまりになる。HDMIやD端子の外部切替機はパッシブタイプ(機械的切替のみ)でも5000円はするし、HDMIでは原則的に電子回路が必要なのでさらに高価だ。そう考えると、HDMI端子を持たずD端子×2のみの三菱「LCD-H26MX7」、HDMIとD端子が1系統ずつのみのビクター「LT-26LC8」は少々不安が残る。ビクター「LT-26LC8」はコストパフォーマンスも魅力な製品だが、後から切替機を購入する時点で別の製品を購入しておいた方が良かった、ということになりかねない。この製品に限らず要注意の部分だ。

photo パナソニック「TH-26LX70」のリモコン。VIERAリンク対応の機器とHDMI接続すると電源のON/OFFや入力切替を自動化できる

 目立つ付加機能として上げておきたいのはやはりパナソニック「TH-26LX70」の「VIERAリンク」とソニー「KDL-26J3000」の「ルームリンク」だろう。VIERAリンクはお馴染みだと思うが、対応するパナソニック製レコーダーとHDMI接続すると電源のON/OFFや入力切替を自動化してくれる。ないと困るわけではないが、一度使い慣れると手放せなくなる機能の1つだ。

 たとえば、現在はまだ対応レコーダーを所有していないが、パナソニックのハイビジョンレコーダーが気になっている人は先にテレビを購入しておくのもアリ。……パナソニックの戦略にはめられている気はするのだが、コストに換算しにくい付加機能であるのも事実だ。

photo ソニー「KDL-26J3000」はネットワーク機能の充実が特徴。DLNA対応にくわえ、テレビを視聴しながらコンテンツを楽しめる「アプリキャスト」(写真)などを搭載している

 一方の「ルームリンク」は、いわゆるホームネットワーク機能。対応するソニー製のレコーダーやPC(VAIO)と連携し、LAN経由で録画番組を再生できる機能だ。DLNAに準拠しているため、メディアサーバーソフト「DiXM」などを導入すれば自作PCで録画したテレビ番組の再生もできるし、富士通製PCにもほぼ標準でDLNAサーバ機能(DiXMのOEM)が搭載されている。レコーダーもソニー製以外にも東芝の「RDシリーズ」がDLNAサーバ機能を備えており、少なくとも地上波アナログ放送の録画番組は再生が可能だ。

 プライベートルームではPCで録画しているので、レコーダーはリビングなんだよね……といった人が利用するには間違いなく魅力的だし、同様の機能を外付けで実現しようとすると、やはり最低でも1万円程度の出費が必要になる。本機の場合はデジタル放送の録画番組をネットワーク経由で再生するための「DTCP-IP」にも対応しているので、機能を利用したいなら付加価値としては結構高いはずだ。

決して小さくはない価格差

 今回の6製品は、簡単にいえば各メーカーの安い方の製品。価格帯としては10万台前半という所だが(前編のITmedia Shopping平均価格を参考にしてほしい)、価格差は相応にある。比較的高価なのがパナソニック「TH-26LX70」とソニー「KDL-26J3000」の2製品。AV入出力が充実しており、付加価値も高めで、それがストレートに価格に反映されている。付加価値に魅力を感じるなら悪くない。反面、この2製品の値段は他社の32V型にも手が届くレベルのため、個々のニーズと照らし合わせて判断したいところだ。

 残る製品の中でぐんと割安感が強いのがビクター「LT-26LC8」と日立「W26L-H90」。ビクター「LT-26LC8」は、造りから見てもかなりローコストで、画質や機能も価格相応。たとえばレコーダーを1台、ゲーム機を1台繋ぐだけ、と割り切るならば、決して悪い製品ではない。一方、日立製作所「W26L-H90」に関しては、モデル末期で安いという事情があるので、不満のない画質やAV入出力、分かりやすい操作性なども加味すると、とにかく現状でのお買い得感は強い。

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