デジタル放送に対応したことで、テレビとしての基本機能も大きく変わっているが、シンプルな操作感覚は維持されている。従来どおり、リモコンに対するレスポンスにストレスを感じさせないよう、全般に気を配られているようだ。
映像品質に関しては、デフォルト設定(スタンダード)のままでも違和感が少なく、安心して見ていられる。このあたりは店頭展示を意識せずにすむ、直販製品ならではの利点といえるだろう。あくまでも、一般的な家庭での室内環境を想定して、各種パラメータが追い込まれている。やや色のりがよすぎるように感じる人もいるかもしれないが、その場合は、ニュートラルな初期値の「ユーザー」を選択し、好みで調整を行えばいいだろう。
映像設定メニューでは、「コントラスト」「明るさ」「色の濃さ」「色合い」の各々を64段階で調整でき、ほかに、「色温度」を高/低/中、シャープネスを15階調から選べる。プリセット設定は前述の「スタンダード」「ユーザー」のほか、「あざやか」「シネマ」が用意されているが、いずれもパラメータ固定ではなく、個別に調整が可能だ。
SD映像を表示した場合の品質に関しても、もともとGenesisのデバイスにはFaroudjaテクノロジーが含まれているため、うまくアップコンバートされている。若干ジャギーが目立つ印象もあるが、これは画面全体のバランスを考えたうえでの意図的な設定で、これも“ユニデンならではのこだわり”の結果といえるようだ。
「実はうちではDCDi(Faroudjaの輪郭補正技術)だけはあえてオフにしています。DCDiは斜め線がきれいになるのはいいんですが、つないではいけない部分まで補間しまうこともあるので。実際に映像を見ながら調整を繰り返した結果、違和感に配慮してオフを選択しました。特に破綻もなく、逆に素直な絵でいいと思いますよ」(片岡氏)
最後に本体のデザインや質感に触れておこう。実は個人的にも気になっていた部分なのだが、「ユーザーから概ね好評を得ている」というのもおおいにうなずけるレベルだ。写真を見ただけでは、全体に平板な印象を受けてしまうが、実際にはフロントパネルなどに微妙な膨らみがつけられている。全体に柔らかみを感じさせる個性的な印象だ。
画面周囲のフレームが2重構造で、全体の幅が太くなっている点は(特に画面サイズの小さいモデルでは)目立ちすぎる感もあるだろう。しかし、前述の微妙に膨らみのある形状と光沢のある質感で、あえて存在感を主張しているわけで、たとえば、デザイン家具などと組み合わせても遜色はなく、うまく調和してくれるだろう。
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提供:ユニデン株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年6月24日