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レビュー2007年06月29日 08時25分 更新
レビュー:「高音質配信」は本当に“いい音”か?――e-onkyo music編 (2/2)96kHz/24bitがもたらす未知の世界いよいよe-onkyo musicの96kHz/24bitをチェックしたい。「CDを超えた高音質」とうたう実力の真価を問うためにも、 綾戸智絵「SEVEN」から「Tennessee Waltz」と「Desperado」、小林研一郎指揮「ベートーベン交響曲第9番」(SACD/CDハイブリッド)から第1楽章という3曲をチョイス。WMA losslessとハイブリッドSACDのCD再生、SACD再生を比較した。また綾戸智絵はiTunes(AAC 128kbps)やナップスターでも配信されていたので、こちらもダウンロードして聴いてみることにした。 まず綾戸智絵のiTunes(AAC 128kbps)に関しては、ノラ・ジョーンズやキャサリン・ジェンキンスと大きな差はない。残念ながらBGM使用に限定されてしまうサウンドクオリティだ。いっぽうナップスターはキャサリン・ジェンキンスよりもかえってクオリティが下がった印象。iTunes(AAC 128kbps)に近いイメージで、声も演奏も単調に感じられる。じっくり聴き込むには少々もどかしさがつきまとう。 それに対して96kHz/24bitのWMA losslessは、まるで録音が違うかのような別世界。ピアノの繊細なタッチや、声に込められた感情の細やかな揺れなどを、緻密なニュアンスで見事に再現してくれる。確かにここまでのリアリティはCDですら体験できない。「CDの情報量をはるかに上回る高品質」はダテではないことを実感した。 ベートーベン「交響曲第9番」のように音数が多いものは、さらにその差が明確になる。バイオリンの音などは重ねれば重ねるほど、ノイズのように聞こえたり、音が引っ込んだような印象になってしまうことが多いのだが、96kHz/24bitのWMA losslessdでは、幾重にも重なった音の厚みが見事に表現され、美しいハーモニーを奏でている。これぞ、音楽ファンが待ちに待った「進化した現代の音」と呼べるものだろう。 同時にCDにも違った良さがあることを確認できた。なんといっても音がダイナミックで、はつらつさで言えばこちらの方が上だ。さらに音楽ファイル再生にどうしても付きまとう音の揺れがなく、どっしり土地に足を着いた安定感がある。これは音楽に没入できる大切なポイントともなる。このようにどちらの違った良さがあるので、CDにするか96kHz/24bitのWMA lossless、その選択は好みにおまかせしたい。どちらを選んでも充分満足はできるはずだ。 最後に聴いたSACDは、両者のメリットを重ね合わせた印象。その繊細かつ鮮度感の高い音がもたらす圧倒的なリアリティは、現在手に入れられる最高峰のサウンドといえる。より高音質を求めるのであれば、SACDは外すことのできないマストアイテムとなる。 山積みの課題をのりこえて輝かしい未来を音質的には充分以上の満足を得ることができる、e-onkyo musicの96kHz/24bit WMA lossless。現在、いや近未来を含めても、理想の音楽配信とひとつと断言できる素晴らしい存在だ。他社の音楽配信も、ぜひこのような高みを目指して突き進んで欲しい。 しかし問題点もある。そのなかでも切実なのが、再生プレーヤーと提供される楽曲の少なさだ。現在公式に対応デジタルオーディオプレーヤーとアナウンスされているのは東芝gigabeatVシリーズのみ。しかも44.1kHz/16bitのみで、96kHz/24bitには対応していない(Windows Media Player11では転送可能なものの自動的にダウンコンバートされてしまう)。 ほぼPCでしか再生できないのは致命的ともいえる弱点。ハードウェアメーカーとの連携を強化して、早急に対応機器の登場を願いたいものだ。また楽曲の少なさは、SACDやDVDオーディオの二の舞いとなる可能性もあるので、曲の充実も早急に願いたい。 関連記事
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