液晶テレビは家族の集うリビングをメインターゲットに据え、画面の大型化と低価格化を進めていたが、このころから明確に「リビング以外」を狙う中小型画面の製品が増えてきた。それまでも小型の液晶テレビは存在していたが、「小さくしただけ」という製品が多く、機能や画質面では世代遅れという製品も目立った。
しかし、各社が今シーズンに投入してきた中小型液晶テレビは大型画面の上位モデルに勝るとも劣らない機能と画質を備えながら、低価格化も実現。一人暮らしのマンションを始め、寝室や書斎といった家庭内の各部屋に液晶テレビを導入することが、現実的な選択肢となっていることを確認させてくれた。
液晶テレビの普及が加速する中、ひとつの次世代薄型テレビが足踏みを踏んでいるのが明らかになった。キヤノンが2007年第4四半期に予定していた「SED」(Surface-conduction Electron-emitter Display)の発売を当面見送ると発表したのだ。米NANO-PROPRIETARYとの訴訟が長引いていることに加え、量産技術を確立するためと説明されているが、液晶・プラズマに続く第三の薄型テレビを目指していたSEDの登場が遅くなることは確実。「超高精細ブラウン管」とも評される画質を持つだけに、AVファンとしては残念なところだ。
例年ならば夏商戦期にあわせた新製品発表が相次ぐ時期だが、今年は少なかった。特に少なかったジャンルがレコーダーで、HDD容量増といったマイナーチェンジモデルも含めてもほとんど新製品が発表されなかった。今から考えれば、コピーワンスの見直しが現実的なものへなりつつある時期であったわけで、メーカー各社は新製品を出せなかったというより、出せなかったというのが正解だろう。
数少ない例外が東芝。初のHD DVDレコーダー「RD-A1」のほか、VARDIAシリーズとして「RD-A600/300」を発表し、気を吐いた。ただ、RD-A1はHD DVDレコーダーというよりも1TバイトHDDを活用する「HD DVD搭載のHDDレコーダー」(同社)としての色彩が濃いほか、39万8000円という価格設定もあり、家電市場で大きな成功を収めたとはいえない。その後、東芝は実売10万円以下かつハイビジョン解像度でDVDメディアにも記録できる「HD Rec」などを備えたHD DVDレコーダーの“本命”「RD-A301」を投入することになるが、それは12月の話となる。
ユニークなおもちゃの話題は6月も豊富。つぶしてもつぶしてもなくならない「∞プチプチ」(無限ぷちぷち)やシリーズ初の100万ドル札も登場する「人生ゲーム ゴールドメジャー」、過去最大のビックサイズとなっている「野球盤メガスタジアム」といったおもちゃが話題に。∞プチプチは9月下旬に販売されたが、わずか3カ月で100万個に届く勢いのヒット商品となった。
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