コラム

自発光の極み――パナソニックの「Neo PDP」が見えてきた? (1/2)

いまだ詳細が明かされていないパナソニックの新世代プラズマ「Neo PDP」。昨日行われたテレビ累計3億台突破の事業戦略説明会では、初めてNeo PDPの性能を示す数値が示された。

 パナソニックは10月7日、同社のテレビ生産が累計3億台を突破したと発表した(→関連記事)。同日、行われたプラズマディスプレイの事業戦略説明会では、断片的ではあるが来年投入される新世代プラズマ「Neo PDP」の数値による性能が初めて示された。

 パナソニックのNeo PDPは、プラズマパネルの性能を底上げする技術を総称したもの。今年1月の「International CES」で、CESの基調講演に登場した3つのプロトタイプはそれぞれNeo PDPの特徴を分かりやすく形にしていた。つまり、2倍の輝度もしくは消費電力が2分の1になる「高効率」、フルフラットで厚さ24.7ミリを実現した「超薄型」、150V型に至る「超大型化」だ。

photophoto CESの基調講演に登場した「Neo PDP」。発光効率を従来の倍に高めたというプラズマパネルと厚さ2.5センチの超薄型PDP(左)。CEATEC JAPANの同社ブースにも登場。150V型プラズマテレビは4K2K解像度を持つ(右)

 このうち大型化に関しては、建設中の尼崎工場「P5」(プラント5)で採用されるガラス基板をカットせずにそのまま使用するもので、考え方としては新しいものではない。このことから、Neo PDPという言葉が単なるパネル技術ではなく、生産体制までを包含した幅広い意味を持っていることが伺える。

 一方、発光効率の向上などプラズマパネルそのものの進化は、複数の要素技術を組み合わせて実現される。パナソニックはこれまで、Neo PDPの要素技術として「蛍光体などの新材料」「新しいセル構造」「駆動の低電圧化」を挙げて説明してきたが、これらは今までにも繰り返されてきた、いわばプラズマパネルの正常進化であり、「Neo PDP」という言葉が持つインパクトと少々アンバランスな印象を受けていた。

 しかし、今回の説明会では気になるスライドが2つ示された。

photophoto 発光効率の向上により、2009年にパネル電力を2分の1に、2011年にはさらに半分(現状の4分の1)にする(左)。動画解像度は上限値の1080本(右)。Neo PDPのスペックが数値で示されたのは今回が初めて

 発光効率の向上により、2009年にパネル電力を2分の1に、2011年にはさらに半分(現状の4分の1)にするという。パナソニック常務・パナソニックプラズマディスプレイ社長の森田研氏は、「プラズマパネルの発光原理は蛍光灯と同じ。しかし、大きな違いが発光効率で、蛍光灯を100とすると現在のプラズマパネルは3。33分の1程度の発光効率でしかない。これを改善すれば大幅な省エネが可能になる」と説明している。

 要素技術の進歩は、製品開発のオプションを増やすものだ。新材料の採用やセル構造の進歩によってプラズマパネルの発光効率が向上すると、メーカーには「輝度を上げて明るいテレビを作る」という選択肢と、「輝度はそのままで消費電力を抑える」という選択肢が生まれる。現在のプラズマテレビが必要十分の輝度を持っていることを考えれば、後者を選択するのが自然だ。それでも3年後の2011年までに消費電力が4分の1になるメドが立っているというのは、少々驚かされる。

 2つめの動画解像度のスライドは、さらに示唆的だ。動画解像度とはapdc(次世代PDP開発センター)が提案した指標で、動画表示性能を“人の見た目に近い尺度”で測定・評価する(→“動画解像度”に関するいくつかの懸念)。上限はパネルの実解像度(フルハイビジョンなら1080本)ということになるが、等速(60Hz駆動)の液晶テレビではおよそ300本、倍速駆動でも600本以上。またグラフに書かれている「4倍速液晶」は、将来登場するであろう240Hz駆動の液晶テレビを想定した“推定値”で、それでも900本だ。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2010 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


Special

おすすめPC情報テキスト

モバイルショップ

新型Core i5/i3搭載PC発売開始!
HD再生も可能なグラフィックス・コアを備えた最新モデル!

ノートモデルが続々と新発売
Core i7搭載ハイエンドノートから激安ネットブックまで!

キャリアアップ

ピックアップ

news009.jpg 価格比較:高級コンパクトデジカメ09年秋冬モデル、価格を比較
年末商戦向けに展開されている、各社高級コンパクトデジカメの価格を比較した。注目されるのはあえて高画素化の道を選択しなかったモデルだ。

index.jpg ビデオカメラ特集
デジタルビデオカメラは既に“フルHDは当たり前”となってきた。最新機種のレビューでフルHDに次ぐ、新たな選択肢を探してみよう。

news021.jpg 価格比較:「1万チョイまで」で幸せになるカナル型イヤフォン16選
ポータブルオーディオの最も簡単かつ効果的なチューニングはイヤフォンの変更。最近ではバリエーションも充実しており、ちょっと財布のひもを緩めればシアワセになれる。今回は人気のカナル型を集めてみた。

news022.jpg 価格比較:夏の水辺はコレで撮る――今夏の防水デジカメ徹底チェック(後編)
今年は防水デジカメの当たり年。今シーズンに登場した防水デジカメの仕様と価格を比較する。

news065.jpg 価格比較:高級コンパクトデジカメ、価格を比較
最近ではハイビジョン動画や個人認識、さらには超高速連写など、デジタルであることを前面に押し出した製品も増えているが、“撮ることの楽しさ”を前面に押し出した高級コンパクトデジカメもいちジャンルを築いている。各社製品の価格を比較した。

news097.jpg 価格比較:充実のエントリーデジタル一眼、価格を比較
最新のエントリー向けデジタル一眼は撮像素子も10メガを越えたほか、ライブビューやHD動画機能なども備えており、その充実ぶりは目を見張る。お買い得感の高いダブルズームキットで価格を比較した。

news102.jpg 価格比較:ハイアマ向けミドルクラス一眼、価格を比較
撮像素子はAPS-Cサイズながら、各種装備やスペックを充実させた中級デジタル一眼レフの価格を比較した。エントリー向けに比べやや高価にはなるが、いわゆる写真愛好家を対象とした製品だけに、充実した製品がそろっている。

news063.jpg 価格比較:あこがれを手に入れる、フルサイズ一眼の価格を比較
これまでフルサイズ機といえば、プロ向けの高価な製品しか存在していなかったが、今では少し背伸びをすれば狙える。とはいえまだまだ高価。最新価格のチェックは欠かさずにいたい。

news038.jpg 価格比較:エコポイント活用、ハイエンド機も充実の50V型以上テレビ価格一覧
50V型以上ともなると、各社のハイエンドモデルと録画機能付きテレビのオンパレード。プラズマテレビも選択肢が増え、画質・機能ともに充実した製品が並ぶ。

news098.jpg 価格比較:エコポイント活用、満足度の高い46V/47V型テレビ価格一覧
“価格比較”3回目は、46V型と47V型に注目。液晶テレビではプレミアムモデルの比率が高まり、プラズマテレビも選択肢が増えてくる。画質や機能は欲ばりたいが、出費はなるべく抑えたい――そんな人にぴったりのサイズだ。

news111.jpg 価格比較:エコポイント活用、売れ筋40V/42V型テレビ価格一覧
売れ筋の40V型、42V型の薄型テレビからエコポイント対象製品を取り上げ、実売価格を比較する。エコポイントは2万3000点。

news073.jpg 価格比較:エコポイント活用、最新37V型テレビの価格一覧
前回の40V型/42V型に続き、今回は1まわり小さい37V型を取り上げる。最新注目機種の中から、エコポイント対象製品をピックアップ。

news104.jpg 価格比較:エコポイント活用、録画対応モデルも充実の32V型テレビ価格一覧
リビングルームのメインテレビとして、また書斎や寝室におくパーソナルテレビとしても注目される32V型液晶テレビ。ここ1年ほどで倍速駆動や録画機能を備えた製品が増えているのも特徴だ。今回は各社のエコポイント対応製品16機種をリストアップ。

news092.jpg 価格比較:エコポイント活用、個室にちょうどいい26V型以下の液晶テレビを比較
パーソナルサイズと位置づけられる26V型以下だが、最近は上位モデルの機能を一部取り込む形で個性的な製品が増えている。個室やベッドルームなど、シチュエーションに合わせて検討したい。