小寺信良の現象試考:どのタスクも落とさないタスク管理、7つのコツ (1/3)

仕事を進める上で、どうしても重なったタスクを上手にさばく必要に迫られる局面は多い。複数の連載を抱えながら日々の仕事をしている、筆者なりのコツがお役に立てば幸いだ。

 筆者は連載原稿だけで、毎月12本ぐらい執筆している。それにイレギュラーの依頼原稿が2〜3本加わり、ブログ形式の連載もあるので、ほとんど毎日なんらかの原稿を書いていることになる。そんな中で取材に行ったり打ち合わせしたり発表会に出たりカメラ修理したりMIAUの活動をしたりしているわけだから、結構な過密スケジュールとなる。

 ただこれぐらいの執筆量は、ライターとしては多いとは言えない。もっと忙しい人は、月に40本ぐらい原稿を書くようだ。もっとも筆者の原稿は結構長文が多いので、仕事量としてはあまり変わらないのかもしれない。

 筆者の自慢は、絶対に指定の締切日を守ることである。多くのフリーのライターは、出版社勤めなど雑誌編集の経験があるので、いわゆる原稿の締め切り日にはある程度のサバ読みがされていることを知っている。ゲラを印刷所に入れる入稿日から逆算すれば、だいたい何日前が本当のデッドラインかが分かるそうである。

 一方で筆者のバックボーンは放送であった。特に編集という立場にいたので、納期は本当にデッドラインだ。特に局の中でやる報道では、編集より後ろに別の行程がない。すでにオープニングが始まってしまった生放送番組で流すVTRをまだ編集しているなどということも、何度か経験がある。まあ心臓に悪い修羅場というのは、そんなにはくぐりたくないないものである。

 こういう放送の慣習からすると、約束日に納品しないということはもう完全アウトなので、いまだにその緊張感を持って仕事をしているというわけである。こう書くとすごく神経質で几帳面な人のように見えるかもしれないが、実際にはまったくそれとは逆で、自分の記憶というものがほとんど信用ならない人間である。ちゃんとタスク管理をしないと、あやうくオレ終了のお知らせが届く寸前だったで、頑張っているわけだ。

タスクの分解と評価

 現実には仕事というのは重なるもので、順序よく締切や納期が来たりはしない。それらの重なったタスクを上手くさばいてやる必要がある。どうやってこれだけの案件をさばいているのか知りたいという意見があったので、これまで自己流で積み上げてきたセオリーを整理してみた。

 タスク管理のノウハウは、ビジネス書になら書いてあるのだろうが、他人の例をあまり詳しく聞く機会がないように思う。普段からチームで動く仕事の人は、先輩や同僚のやり方を見る機会は多いかもしれないが、会社員でもスタンドアロンで動くタイプの仕事の人は、あまりこういう情報に接する機会はない。筆者の方法は、仕事の種類によっては役に立たないかもしれないが、何らかの参考になれば幸いである。

  • セオリー1:ToDoは使わない。必ず時間に落とし込む。

 意外に思われるかもしれないが、筆者はToDoリストでタスクを管理していない。これまで何度かToDoのクライアントを使ってみたことがあるが、結局ToDo的な考え方は、趣味や家事などの覚え書きにはなるが、ビジネスでのタスク処理の助けにはならないと判断した。

 ToDoが良くない点は、時間感覚が希薄なことである。しょせん人間、起きている時間は限られているわけだから、行動は必ず時間に縛られる。処理する時間がないものは、最初から処理できないのである。

 タスクを、「できればやる」というようなあいまいな状態に置かないのもポイントである。やるのかやらないのか、その案件が発生したときにきっちり判断する。「できればやってね案件」は、どうせ本人的にはやる気ゼロなのだから最初から引き受けないし、「時間があったらやる案件」は、どうせ時間など取れないのだから、これも仕事に入れない。

 筆者は自分のタスクを、どんな小さいものでも必ず時間に落とし込むようにしている。具体的にはGoogleカレンダーを使っているわけだが、漠然としたタスクであっても、おおよその作業時間を見積もって、必ずスケジュールとして記入する。そのスケジュールのプランニングが、キモとなるわけだ。

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