――どのくらい低ノイズになったのですか?
中村氏: 従来製品G10に比較して、最大で約2段分のノイズ低減を図り、同じ感度で撮影した場合にノイズの量は約1/4になっています。PCやテレビ、プリントなど写真の鑑賞スタイルによって見え方には違いがありますが、たとえばポートレート写真をプリントした場合、首など影の部分に生じるノイズ感が、従来とはまったく異なることに気付いていただけるはずです。
また、設定可能な最高感度を従来のISO1600からISO3200に高め、ローライトモード使用時は、暗いシーンで最高ISO12800まで自動アップできます。これによって従来は撮れなかった、かなり暗いシーンでも撮影可能になりました。
――より大きなサイズのCCDなら、さらに高感度に有利では?
中村氏: 大きなセンサーを搭載すれば、画素数の面でも感度の面でも有利になることは確かですが、ボディ全体は大きくなってしまいます。PowerShot Gシリーズは、コンパクトなカメラとしてのサイズ感を非常に大切にしています。デジタル一眼レフよりも小さく、いつでも持ち歩けるサイズの中に、その時点での最高と考えられる画質と操作性、高級感を作っていくことがテーマです。このボディサイズの中で、高画質を実現するには、1/1.7型CCDの搭載が現時点でベストだと考えました。
――「EOS 7D」などデジタル一眼レフは依然として高画素化していますが、1/1.7型センサーのコンパクトデジカメの場合は1000万画素がバランスのいい画素数という判断なのでしょうか?
久保氏: 1/1.7型のセンサーでは、1000万画素がちょうどいい画素数と必ずしも考えているわけではありません。日々、技術が進化していく中で、理想は高解像と高感度の両立であり、両方のメリットを追い続けるのは当然です。現段階での、PowerShot G11では、このセンサーを採用することがいちばんメリットがあると考えています。
――ユーザーにとって高感度化のメリットは?
久保氏: 暗いシーンでも、低ノイズの美しい写真が撮れることはもちろんですが、高感度化の恩恵はそれだけに限定されません。従来と同じノイズ感で、より高速のシャッター速度を使えるわけですから、手ブレや被写体ブレを抑えられる利点があります。また、シーンの明るさを問わず、シャッター速度や絞り値の選択の幅が広がることで、表現の自由度を高められます。さらに、ストロボ撮影時に遠方まで光が届くことや、明暗差のあるシーンでもダイナミックレンジの広い写真が撮れる、といったメリットもあります。
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