ユーザーインタフェースは旧製品、厳密にいえばDMR-BWx50世代から大きな変化はなく、目的別に分かれたメニューは比較的万人向け。補助的な機能はサブメニューに割り付け、日常的な操作は方向キーと決定キーだけで済む。
リモコンのボタンも「番組表」「予約確認」(録画予約一覧)、「録画一覧」(録画番組の一覧)があり、必要十分。録画番組の管理はまとめ表示がフォルダ代わりに使える。レスポンスに関してはメニューの階層移動で若干待ち時間を感じる部分もあるが、DMR-BWx50世代で気になった極端な待ち時間はなくなり、とくにストレスを感じることはなさそうだ。
一方、AVC録画が2番組同時、つまりエンコーダーが2系統になったにも関わらず、ダビング時のマルチタスク性が変化していないのは少し残念だ。ダビングと録画が両立するのはファイナライズを伴わない高速ダビング中に開始する予約録画1番組のみで、この点は旧製品と変わらない。理屈からいえば、AVCの録画モードへの変換ダビング中でも1番組の録画はできそうだが、まぁ、2番組同時のAVC録画が可能になったので必要性そのものが減ったともいえる。
ここまでに紹介した以外にもネットワーク機能も充実しており、「アクトビラ ビデオ・フル」や「YouTube」の視聴に対応。LAN内や出先のPCでの電子番組表を使った録画予約、録画済番組の管理(削除、タイトル変更)、リモコン操作などにも対応し、一部の機能は携帯電話からも行える。無料のWebサービス「DIMORA」を利用すれば、設定したキーワードからの自動録画予約も可能だし、本体には従来からの新番組の自動録画機能も利用できる。DIGAシリーズがかつてはいわゆるレコーダーとしての付加機能に関してはあまり積極的ではなかったが、今となっては競合製品に追いつき、追い抜いた感すらある。
機能面でちょっと気になったのは、3D対応のDMR-BWTシリーズではサポートされているスカパー!HD録画がないこと。本機と姉妹機(DMR-BW780/680)は録画機能付きのVIERAからのLAN経由でのダビングに対応しており、これはスカパー!HD録画でも使われるDTCP-IPを利用するはずなのだが、残念ながらサポートしていない。スカパー!HDが2010年8月から3D放送を予定している点が最大の理由だと思われるが、これがマーケティング上の差別化だとするとちょっと残念だ。
かつてのDIGAといえば、分かりやすいぶん、決して多機能とはいえなかったが、競合製品対して機能的欠落はほとんどなくなりつつある。さらに2番組同時AVC録画がサポートされたことでほとんどスキがなくなった。あえてケチを付けるとすれば、ユーザーインタフェースの動作がもっとスピーディになれば……とは思うが、現状でもストレスを感じるほどではない。そのほか、細かい部分では、詳細ダビングの画面が相変わらずSD仕様である点や、電子番組表に比較するとほかの画面の一覧性が物足りないといった点も挙げられるが、当然これらは致命的な欠点ではない。3D対応が必須でないなら、今購入するBDレコーダーとして、本機とその姉妹機はベターな選択となるはずだ。
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