今回から採用された新機能の1つに、録画時間の約半分で実行できる「高速トランスコード」が挙げられる。DRモードで録画した番組をMPEG-4 AVCへ画質変更ダビングする際、所要時間が短くなるというものだ。したがって、BDやDVD(AVCREC)へのダビング時はもちろん、HDD内ダビングでも有効だ。ダビング可能回数が残っていれば、コピーを選択することでDRモードで録画した番組を維持したまま実行できる。なお、VRモードへの画質変換ダビングでは高速トランスコードは機能しない。
実際に、DRモードで録画した10分間の番組を複数の録画モードでHDD内ダビングしてみたところ、AF(12Mbps)/AN(8Mbps)/MN(4.0Mbps)まではほぼ半分の時間でダビングが終了した。AE(2.0Mbps)やSD解像度のMN(1.4Mbps)では録画時間+αの時間がかかったが、高速トランスコードはその仕様として3.4Mbps以上となっているため、結果はほぼ予想通りだ。
競合製品のほとんどで画質変換ダビングは録画時間がそのまま必要なことを考えると、確かに便利な機能だ。予約録画などと重複するとダビングはキャンセルされるが、オリジナルのダビング回数は減算されないし、HDD内ダビングであればBD/DVDメディアを無駄にせずに済む。まずDRモードで録画して、MPEG-4 AVC録画の画質を確認してからBDやDVDにダビングしたい人にはありがたい機能だろう。
もっとも、高速トランスコードはもうちょっと分かりやすくしても良いと思う。操作ステップは、「編集ナビ」→録画番組選択→ダビング→ダビング先選択(HDD)→ダビングモード選択(画質指定ダビング)→品質変更→コピー開始となり、少々煩雑だ。中にはHDDの容量を節約するために使う人もいるだろうし、そういう使い方もアリだと思うので、例えば録画番組一覧のクイックメニューに「画質変換してコピーを作成」といった一発オペレーションがあれば便利だと思う。
RDといえばコレ!、ともいわれるのが強力なプレイリスト機能だ。録画番組がコピーコントロールされるデジタル放送世代ではPCなどでの自由な編集が難しくなっているため、レコーダーに望まれる機能の1つともいえる。
本機のプレイリスト機能は「ユニティーエディット」と呼ばれ、複数のタイトル(録画番組)からタイトル、チャプターを自由に組み合わせてプレイリストを作成できる。これは、RDシリーズの伝統そのまま。さらに「マジックチャプター」と「おまかせプレイリスト」を活用すれば、番組の本編のみの正確なプレイリストを作成できる。プレイリストはそのままダビングに利用可能で、本機をDLNAサーバとして利用する場合、プレイリストを指定して再生することも可能だ。
また、ダビング回数がきちんとチャプター単位で管理される点もRDならでは。実際にダビングが行われたチャプターしかダビング可能回数は変化しないため、WOWOWやスカパー!専門チャンネルなどのコピーワンス番組でも、事前に番組分割などを行わず、チャプター単位で別のBDメディアにダビングするといったことが行える。
プレイリストの最小単位となるチャプター編集は、従来通りフレーム単位でポイントの設定や移動、削除(チャプター結合)が可能だ。チャプターは、高速ダビング、画質変換ダビングを問わず、ダビング後にも反映される。
後編では、MPEG-4 AVCによる長時間モードの録画画質などに触れていこう。
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