AirH"対応音声端末「HV200」徹底レビュー(後編)(2/2)
SDカードで機能拡大九州松下製品ではHS100以降標準装備となったのがSDカードスロット。Eメール,留守録,メモ録音,画像(壁紙),着信メロディの保存先に指定でき,それぞれの保存件数を一気に拡大できる。またPCとのデータ交換も可能になる。
SDカード関連のメニュー。さまざまなデータの保存先にできる事が分かる
SDカードを装着するとメールボックスも20まで拡張される(本体だけなら10)。自動振分けはできないが,受信したメールを手動で移動し,整理することも可能 メモ録音機能はSDカードを利用して初めて実用的になる。本体のみでは録音可能時間は60秒だが,SDカードを使うと最大4時間もの録音が可能(64Mバイトの場合)。タイトルを付けての保存もでき,背面のスピーカーを利用して再生もできる。簡単な早送り,巻戻しも可能でICレコーダーとしての基本的な機能を備える。
メモ録音機能で残念なのはPCでの再生ができない点で,ファイル形式を確認する限りSD-VOICEと呼ばれる単体のICレコーダーと同じフォーマットを利用していると思われることから,ぜひ別売りでもPCで再生が可能となるソフトウェアの販売が望まれるところだ。
PCのファイルをSDカード経由でメールに添付Eメールでは保存件数を一気に拡大するほか,テキストファイルとして書き出してPCで取込むこともできる。またSDカードに保存したファイルなら500Kバイトまで添付ファイルとして送信できる。DCFやDPOPといった標準形式で保存したデジカメの画像ファイルや,BMP,JPEG形式の画像ファイルはプレビューしてから添付することもできる。 添付ファイル自体は形式を問わないので,PCやPDAで保存したファイルを自由に添付して送信することも可能だ。PHSだけにメールの送受信速度も32/64Kbpsと高速であり,大きなファイルを添付ファイルとして送信できる。
EメールにSDカード内のJPEG画像とExcelのファイルを添付した所。Eメールでは複数かつ500Kバイトまでのファイルを添付することができる これ以外にも電話帳のバックアップや交換(同社製の一部SDカードスロット搭載製品,feelH"端末やFAX,カーナビなど)が可能だ。feelH"端末間なら機種変更を行っても電話帳だけでなくEメールなどまで簡単に移行できるということでもある。実際に確認はしていないが,著作権付きのデータでも電話番号が変わらなければ機種変更後でも読書きが可能だとされており,有償で入手したコンテンツを機種変更後も継承できる点は大いに評価できるはずだ。 SDカードの利用に関してはよく配慮もされている。例えばEメール,留守録,メモ録音は,個別に本体に保存するかSDカードに保存するのかが設定できる。一時的にSDカードを取り外すとすべて保存先が本体に切換わるが,SDカードを再び装着すると元の設定状態に簡単に復元できる。もちろん電源を入れっぱなしのままSDカードの抜差しを行っても問題ない(原則として取り外しは電源を切って行うことにはなっている)。SDカードは差しっぱなしではなく,頻繁に抜差しすることを前提にしたよくできた仕様だ。
ただし,SDカードを利用するデメリットがないわけではない。内蔵メモリに対してSDカードへのアクセスが遅いことと,頻繁にSDカードの存在を確認しているため,SDカードが挿入されているとメールの保存(受信)や読み出しなどで動作にワンクッション間が空く。ストレスを感じる程ではないが,デメリットとして挙げておく。 feelH"の第2世代機ともいえるKX-HV200は魅力的なハードウェアだけではなく,ソフトウェアも十分魅力的に仕上がっている。SDカードを利用した場合の機能拡張も魅力的だ。基本的な部分でもう少し練りこみが進めばと思う部分もあるが,「feelH"には魅力的な端末がない」という悪評は,KX-HV200の登場で払拭できたはずだ。
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