Mobile:NEWS 2002年5月13日 06:22 PM 更新

CLIEとBluetoothカードの活用法を探る(2/2)


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ワイヤレスダイヤルアップ接続はさまざまなパターンで利用可能

 いまのところ、Bluetooth導入の一番の動機となっているのが、Bluetooth対応携帯/PHSを使った「ワイヤレスダイヤルアップ接続」だ。もちろん、auのC413Sやドコモの633Sを使ったワイヤレスダイヤルアップ接続は可能であり、設定もさほど難しくなく、動作も安定している。しかし、実際に使っていると、不満に思う点もいくつか見つかった。


413Sを使ったワイヤレスダイヤルアップ接続

 まず、利用時は携帯/PHS側を操作してBluetooth待ち受けモードにしなければならない。これはせっかくの無線のよさが生かされないように思う。そもそも、Bluetoothは互いの機器が「待ち受け」状態にあることを前提とした規格なので仕方がないことなのだが、それならば押しやすいハードボタン一発で待ち受け状態にできるようにするなど、ハードウェアの工夫によって利便性の向上を図ってほしいところだ。

 そして、肝心のBluetooth対応携帯/PHSの選択肢の少なさだ。auから同社の携帯で使える汎用アダプタ、京セラからH"で利用可能な汎用アダプタが出ているものの、それでも選択の幅は狭い。Bluetoothの一番の呼び水となっているアイテムがこの状況というのは、なんとも寂しい話ではないだろうか。これもBluetooth業界全体が抱える問題点として指摘しておきたい。

 ちなみに、最近になって公開されたBluetoothカードの「動作確認済みリスト」によると、auのC413SのほかにBluetoothモデムステーション「PCGA-BM1」やBluetooth機能搭載モデムアダプタ「BTA-NW1」の名前も挙がっている。


PCGA-BM1を使ってワイヤレスダイヤルアップ接続


PCGA-BM1は電話回線を使うモデム。複数マシンからの同時アクセスは不可

 また、これはまだ対応がアナウンスされていないが、BTA-NW1からモデムカードを取り除き、通信系PCカードに対応した「BTA-NWP」でも動作が確認できた。コンパクトフラッシュサイズのPHS「CEF-02」にアダプタを付け、これをBTA-NWPに差し込んだものにPEG-NR70VとBluetoothカードからBluetooth通信し、ワイヤレスダイヤルアップ接続ができた(2月15日の記事参照)。


PCGA-NWPを使って無線ダイヤルアップ接続


通信系PCカードを使えるPCGA-NWP。ただ、単3電池2本で連続1時間しか使えないのは厳しい

 今回はPCGA-BM1とBTA-NWPを動作検証したが、設定は基本的にはBluetooth対応携帯/PHSを使うときと同様である。

 ただ、筆者の環境ではBluetooth通信の確立のあと、「モデム初期化→ダイヤル」がうまく行えないことがあり、その解決策として接続時に使うダイヤルアップ項目の「電話番号:」の指定時に「コーリングカードの使用:,,,,」のチェックマークをオンにするという手を見つけた。ダイヤルする前に1ウェイトおくことで、確実にダイヤルするようにしたというわけだ。これでPCGA-BM1とBTA-NWPで安定したダイヤルアップ接続ができるようになったことを報告しておく。


PCGA-BM1やBTA-NWPを使うときは「コーリングカードの使用:,,,,」のチェックを付けておくと確実にダイヤルできるようになる

CLIE同士のBluetooth通信。利便性を高めるには対応ソフトが必要か

 Bluetoothカードを装着したCLIE同士では、ワイヤレスによる「データ交換」や「ゲーム」などが行える。

 データ交換については、アプリやアドレス/予定表/To Do/メモ帳のデータをBluetooth通信で送受信できる。メニューの中に追加される「送信」や「カテゴリの送信」「項目の送信」といった項目を選ぶことで、可能になる。赤外線でできることは一通りできると考えていいだろう。

 ただ、データ交換のシーンで最も使われる「名刺交換」は、赤外線の場合には比較的簡単に名刺データを送れる(アドレスボタンをしばらく押し続けるか、アドレス起動直後にメニューから「名刺の赤外線通信」を選ぶ)が、Bluetoothは少々手間がかかる。アドレス起動直後の画面から名刺データを選択し(「アドレス表示」画面にしてから)、メニューから「アドレスを送信」を選ぶ必要があるのだ。

 この名刺交換については、アドレス起動直後の画面のメニューにBluetoothを使った名刺送信ができる項目があればいいだけなので、改良を期待したいところだ。


ホーム画面から「送信」を選ぶとファイルをBluetooth経由で送ることができる。左の画面はファイルと送る相手を選んだあと、送る相手からの認証を待っているところ。ファイルの受信側は(右の画面)赤外線でのファイル転送時と同様に登録するかどうかを指定する画面になる

 ゲームについては、PEGA-MSB1に「Reversi」というゲームが付属し、これをBluetooth通信する相手とワイヤレス対戦という形でプレイできる。Reversiはいわゆる「オセロゲーム」なのだが、オセロ盤の下にあるエリアを使って手書きのチャット(ペイントボードの共有)も楽しめる。

 あくまでもオマケとして付いてくるものなので、「ひとりではプレイできない」とか「ゲームを盛り上げるための演出が乏しい」などといった“ゲームソフト”としての評価については言及しない。

 ただ、“Bluetooth対応ソフト”として見た場合、「双方がReversiを起動している状態でないとプレイできない」点には一工夫ほしかったところだ。Palm Bluetooth Cardに付属する「BlueBoard」や「BlueChat」は、相手が同ソフトを起動してなくてもメッセージで呼び出すことができ、呼び出された側は通信を承諾すれば自動的にソフトが起動し、通信を始められる。Bluetooth対応ソフトとしては、この仕様をスタンダードなものにしてほしかった。


CLIE同士でReversi対戦している様子。ちなみにこのソフトはCLIEでしか動かない(ほかのPalmデバイスで動かそうとしてもエラーが出て起動しない)

[濱田宏貴, ITmedia]

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