Mobile:NEWS 2002年6月10日 11:06 PM 更新

XScale搭載Pocket PC「GENIO e550G」ファーストインプレッション(2/3)


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 ディスプレイに関してはフロントライトの調整幅が広い点もよい。昨今のPDAではプロセッサの消費電力よりもバックライト/フロントライトの消費電力の方がバッテリー駆動時間に大きな影響を与えるからだ。

 GENIO e550Gは比較的暗い側に設定幅が広い。比較は筆者のiPAQ Pocket PCだけだが、それぞれのフロントライト(iPAQ Pocket PCの表記はバックライト)の明るさを最低にした場合、明白にGENIO e550Gの方が暗い。必要最低限の明るさで利用したほうがバッテリー駆動時間は延びるため、暗い側への設定幅が広いことは特徴の1つになるだろう。


フロントライトの調整は消灯も含めると10段階。バッテリーとAC駆動時で個別に設定が可能。フロントライト/バックライトを最も暗くした状態でのiPAQ Pocket PCとの違いはかなり大きい

 なおフロントライトの点灯、消灯は電源スイッチの長押しで任意に行えるが、iPAQ Pocket PCのように明るさを検知して自動制御する機能は持たない。GENIO e550Gではバッテリー残量が70%以下になると自動的にフロントライトの明るさを制御し、バッテリー残量が10%を切ると自動的にフロントライトを消灯するなど、iPAQ Pocket PCとは違ったアプローチでバッテリー駆動時間に配慮している。

スタンダードなレイアウトで、誤操作への強い配慮

 GENIO e550Gの各レイアウトはPocket PCのほぼスタンダードといえるものだ。前面は下部に集中して4つのプログラムボタンと4方向キー、電源スイッチにスピーカー、左側面に録音キー(プログラムボタン5)、赤外線ポート、マイクを備える。CF Type IIスロット、SDスロット、イヤホンジャックは上面だ。スタイラス収納部には特にギミックはない。

 なおPocket GearやカシオペアE2000、今後発売予定のPocket LOOXに見られる側面のジョグダイヤルのような機能はなく、プログラムボタンもPocket LOOXのようにほかのキーを併用して複数機能を割り当てるといった機能は備えていない。


2つの拡張スロットは上部。イヤホンジャックもここにある。画像はSDメモリカードはポップアップした状態だが、使用時には完全に本体に収まってしまい、抜き差しはちょっとやりにくい(左)。左側面には上からマイク、録音ボタン、赤外線ポート、少し離れてリセットスイッチ(丸い穴)が並ぶ(右)

 GENIO e550Gの操作系は少々他社製品とはアプローチが異なるようだ。例えばプログラムキーは誤操作を防ぐためか細い横長で少々固め。つまり意識して操作しないと反応しないようになっている。確実に操作するには指を添えてぐっと押し込むか、爪で押すといった感じだ。

 電源スイッチも同様で、パネル面よりわずかに引っ込んでおり、しっかり押し込まないと反応しない。これならそのままポケットやカバンに放り込んで持ち歩いても、いつのまにか電源スイッチが押されていたということは少ないだろう。


前面の操作部は下部に集中。プログラムボタンは随分横長で、4方向ボタンもコンパクト。右下がスピーカー、左下が電源スイッチになる(左)。電源スイッチはパネル面からわずかに引っ込んでいる。意識して操作しない限り反応しない(右)

 誤操作防止はソフトウェアにも反映されている。GENIO e550Gではプログラムキーの操作による起動(電源オン)を無効にできるなど、本体をそのまま携帯することを意識し設計されている。

 カバンにそのまま放り込んでおいたiPAQ Pocket PCの電源が勝手に入って、いつのまにかバッテリーを消費しているという事態に何度も遭遇している筆者にとって、この誤操作防止の仕様は魅力だ。


このように前面の4つのプログラムボタン、録音ボタン(プログラムボタン5)の操作で電源をONにする機能は無効にできる

 決定キーを兼ねる4方向キーはコンパクトなスティックタイプ。つまり上下左右を押すのではなく上下左右に倒すタイプで、倒したまま360度回転させることもでき、8方向に反応する。使い勝手は悪くないが、4方向キーだけを長時間操作していると指が痛くなることも。

 プログラムキーも含め、4方向キーの操作でつい指先に力が入ってしまいそうなアクションゲームには向かない感じだ。

 なお4方向キーは標準で凸形状に滑り止めとして小さな9つの突起が付いたものと、凹形状で中央部が盛り上がったものが付属し、好みや用途に合わせて交換できる。


交換可能な2つのスティック。つい力を込めて操作しがちな人なら右側のスティックを使うといい

[坪山博貴, ITmedia]

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