Mobile:NEWS 2002年7月26日 08:12 PM 更新

FOMA事業計画は下方修正しない――定例会見でNTTドコモの立川社長

7月26日に行われた定例会見でNTTドコモの立川敬二社長が、2002年度の見通しを明らかにした。順調な第2世代に対して、期待の“3G”FOMAは低迷を続けているが、立川氏は「FOMAの年間計画を修正するつもりはない」と強気の態度をみせる

 NTTドコモの立川敬二社長は7月26日に定例会見を行ない、2002年度第1四半期の事業総括および2002年度の見通しを明らかにした。


NTTドコモの立川敬二社長

 立川社長は冒頭、最近の携帯電話市場を振り返って「確かに昨年の下半期から成長が鈍っている。今年度第1四半期の純増数も、昨年同期比の65%となる158万契約だ。しかし国内の総契約数は今年5月に7000万を突破しており、人口普及率では60%を超えるところまできた。安定成長になるのは、ごく当たり前のこと」と述べ、携帯電話の成長鈍化は、普及率が高まって安定成長期に入ったためとの見方を示した。

 成長鈍化の市場で、同社の第1四半期純増数も68万契約と昨年同期に比べると少なめで推移した。「特に5月がかんばしくなかったが、6月からは504i、251iシリーズなど新機種の市場投入で挽回した。504iシリーズは7月25日までで約140万台、251iは約67万台と順調な滑り出しを見せている」(立川氏)。

 順調な第2世代に対して、期待の“3G”FOMAは低迷を続けている。全国エリア展開の効果も空しく、伸びはさらに鈍化。6月の純増数はわずかに2200契約にとどまり、今年度第1四半期(6月末)までの累計もわずかに11万4500契約だ。同社のFOMA事業計画では、今年度末(2003年3月末)までに130万契約を目標としている。第1四半期を終えた上で目標の1割にも満たない数字に対して、立川氏は「FOMAは当初から、今年度後半ダッシュの販売計画になっている。第1四半期の進捗状況でFOMAの年間計画を修正するつもりはない」と強気の態度をみせた。

 「確かにFOMAは低調だが、5月15日から開始したFOMA映像ストリーミング試行サービス「Vライブ」や、7月1日からのデュアルネットワークサービスなど、新サービスも始まっている。今年度のFOMA事業計画の中心は、ネットワークを着実に拡大していくこと。7月末で69%になるサービスエリアも、年度末には90%に拡大する。つまり、販売計画が後ろ寄りに作っているというだけ。端末については、今秋にバージョンアップした新機種を市場に投入する。これによって、販売を促進させていきたい」(立川氏)。

 また立川氏は、7月1日から開始した無線LANを利用したインターネット接続(ホットスポット)の商用サービス「Mzone」が、FOMAの需要を喚起するのではと期待を寄せる。

 「当社が考えるMzoneのイメージは、ホットスポットに行った時には高速回線を使った高速ダウンロードを行い、それ以外のエリアはFOMAでカバーしていくというかたち。ドコモが設置したMzoneスペースだけでなく、他社が設置したホットスポットともローミングで共用できるようにするため、現在関係各社と交渉中」(立川氏)。

 会見の席上では、7月18日に平成電電が「固定電話から携帯電話にかける場合、携帯電話事業者が決めた接続料が高過ぎるため、低価格サービスが実現できない」として総務省に接続協定裁定を申し立てたことについての質問が出た。この件について立川社長は「急に裁定という話になってビックリしている。協議中であったにもかかわらず、一方的に申し立てをするというのはいかがなものか。裁定で申請された内容について検討し、期限の8月9日までに答弁書を出すため、現在内容を検討中」と述べた。

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[西坂真人, ITmedia]

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