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2002年11月1日 08:16 PM 更新
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Mobile&Movie 第36回
ディナーラッシュ「アーモンドチョコケーキをお願い」(2/2)
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映画「ディナーラッシュ」の舞台になったのは、ニューヨークのトライベッカ地区にあるレストラン、「ジジーノ」。監督のボブ・ジラルディがオーナーであるこの店を舞台に、わずか21日間で撮影されたそうです。
地下鉄のChambersST駅を上がると、そこはトライベッカ地区。SOHOに隣接するこのあたりは、アートギャラリーや一風変わったブティックが集っています。個性的なウィンドウに目を奪われながら、GreenwichSTを目指すと右手にワシントンパークが見えてきました。公園の緑を楽しみながら、GreenwichStをダウンタウン方面に下っていくと、ありました「Gigino」の小さなネオンサイン。
表にはランチタイムの看板が出ており、扉を開くと映画の世界そのままのレストランがありました。「ディナーラッシュ」ファンの私は、「ここで撮影が行われた」と思うだけで胸がいっぱいに……(エドアルド・バレリーニと同じ場所にいることに感動)。
平日の午後2時という時間のせいか、店内はすいていて、じっくり観察できました。席に案内してくれたウェイターに「ディナーラッシュの映画が好きで、日本からやって来た」と話しかけたのですが、彼は映画を知らない様子。「ここに来れて嬉しい」と言うと「楽しんで」と笑いかけてくれました。
入り口近くのバーカウンターは、映画の中ではバーテンが面白クイズをしていたところ。さすがに昼間はお酒を飲む人もなし。
たしか、オーナーのルイスが座っていたのは、この階段上あたりの席。その奥の長いテーブルには、気難しい客のフィッツジェラルドと彼の取り巻きのアーティストがいたはず。映画の場面が次々によみがえってきます。
ウェイターが立っているのが、地下の厨房に続く階段。当然、厨房までは覗けませんでしたが、料理はここから次々と運ばれてきて、映画の「戦争状態」の厨房が頭に浮かびます。
私が頼んだのは、ランチプリフィクスというコースでお値段は20ドル。まずは、前菜のフンギのスープからお手並み拝見。土色のスープにギョッとしたのですが、まろやかなキノコペーストに黒胡椒が効いていて、未だ食べたことのない不思議なトロトロとしたフレーバー。
メインに選んだのは、シーフードのリゾット。プリプリの海老とチーズだけじゃない、魚介類のエキスが詰まったソースが、濃厚でおいしい!
デザートは、ティラミスをチョイス。シンプルで美しいデコレーションに、メインシェフであるウードの存在を感じずにはいられませんでした。実際、映画の中の料理も、ジジーノのシェフによって作られたそうです。
ここへ来て忘れちゃいけないのは、レストルームへ続く階段。少し暗くて階段を下りるまでドキドキしましたが(映画の内容を思うと)、地下のフロアはとても明るく清潔でした。
胸いっぱい、お腹もいっぱいになって、なごり惜しい気持ちのまま、ジジーノをあとにしました。料理はヌーベルキュイジーヌというより、ダンカンが作る家庭料理に近い味。どれもおいしかったので、ニューヨークを旅行する機会がある方には、ぜひ映画を観てから訪れてほしいです。
[本田亜友子, ITmedia]
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