Mobile:NEWS 2002年11月15日 10:59 PM 更新

「P504iS」のカメラ周りをチェックする(2/2)


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iショット最強の画像編集機能

 P504iSは強力な画像編集機能も備える。

明暗調整(±2段階)
色調変更(ネガポジ、セピア、モノクロ)
挿入(撮影日時、テキスト、スタンプ)
モザイク
フレーム合成
回転
反転
サイズ変更
トリミング
合成
貼り付け
保存画質(圧縮率変更)

 発売済みのiショット端末で最も強力な編集機能を持つのは「D251i」だが(7月17日の記事参照)、本製品はおおむねこれを上回る。


画像編集機能はメニュー2ページにも渡る。カメラ内蔵ケータイとしてはかなり多機能だ

 挿入機能では文字は色、サイズ(3段階)が変更できる。テキストは事前に一括入力するタイプだ。文字色、サイズを入力前に設定しておかないといけないのは、あまり直感的ではない。位置決め時に変更できればずっと使い勝手がいいだろう。


明暗調整は実際の画像で効果を確認しながら可能。挿入機能ではこのように簡単に任意の文字列や撮影日時を合成できる

 サイズ変更は縦横を独立して%を指定するタイプ。縮小だけではなく拡大もできる。ただしiショットで送信できるサイズは固定されているので、例えばiショット(S)で撮影した画像をほんの少しでも拡大/縮小してしまうと送信できなくなるのは注意がいる。

 サイズ変更機能と共に、効果的なのがトリミング。トリミングは任意サイズのほか、iショット(S)サイズ、サブスクリーン(背面液晶)サイズで画像の一部を切り取れる。画像品質は低下するが、サイズ変更機能で拡大後にiショット(S)サイズでトリミングしてしまえば、iショットでの送信も行える。


サイズ変更は%を数字で指定。トリミングも同様にフリーサイズで設定できるほか、iショット(S)サイズ、サブスクリーンサイズにトリミングできる。サイズを決めると画像上に枠が表示され、4方向キーで枠の位置を動かして決定する

 合成機能はよくできている。合成する側の画像は合成される側の画像からはみ出しても構わない(はみ出していない部分だけ合成される)ので、上下や左右を別の画像にすることもできるし、任意サイズに拡大/縮小して合成もできるので、スタンプのような合成も簡単だ。例えば車の写真の隅にドライバーの顔、といった合成も行える。

顔にモザイクをかけ、ZDNet Mobileのロゴ画像を合成。この程度は非常に簡単に行える

 これだけ編集機能が強力なら、常に最大サイズのiショット(L)で撮影して必要に応じて加工したいところ。しかしiショット(L)で撮影した画像は一切編集ができない。結局のところは撮影段階で用途に応じて画像サイズを考慮しておかなければいけないのは、ほかのiショット端末と変わらない。せめてiショット(L)からiショット(S)へのサイズ変更だけでも可能にしてほしかった。

大容量メモリ&フォルダ分け対応だが、サムネイルはなし

 大容量メモリもP504iSの特徴だ。iショット(S)サイズなら最大1760枚(保存画質ノーマル)、iショット(L)サイズで保存画質スーパーファインでも176枚もの画像が保存できる。SDカードなどのメモリカードは利用できないが、撮影枚数としては十分だろう。

 画像は[アクセサリ]−[マイピクチャ]の[ピクチャ]フォルダに保存される。一覧画面までは最低5ステップのキー操作が必要で、さらにカメラモードからショートカットして表示することもできない。慣れれば指が覚えてしまうとは思うが……。

 画像のタイトル名は“西暦下2桁”+“月日”+“時分”+“連続番号4桁”の14桁の数字列となり、比較的分かりやすい。もちろん後で任意のタイトル名にも変更でき、タイトル名は最大245バイトであり、ほぼ無制限といえる。

 画像のフォルダ分けにも対応している。移動は1つずつ、複数、全件を指定できる。撮影日で一括して移動することはできないが、まめにフォルダへの移動を行っておけば効率よい管理が可能だろう。

 縮小画像で複数の画像を1画面に表示する、いわゆるサムネイル機能がないのは残念だ。同一フォルダ内の画像ならば左右キーで前後の画像ファイルに移動して表示できるが、撮影可能枚数が多いだけに物足りない。サムネイル画面で複数画像を指定して一括削除、移動といったオペレーションはできて当たり前だろう。

 撮影時はもちろん画像編集時にも利用できるフレームやスタンプは、“ピクチャ”フォルダの“フレーム”“マーカースタンプ”フォルダに登録されており、ダウンロードすることが可能だ。松下の公式サイトである「P-SQUARE」では既に無料でダウンロードできるフレームやスタンプが提供されており、よりオリジナリティの高い画像編集が可能になっている。


撮影した画像はこのようなタイトル名で保存される。フレームもピクチャフォルダの中にあり、iモードサイトなどからダウンロードして利用できる

撮影画像はすぐにiショットメール可能

 カメラモードへの移行、画像一覧への移行にはちょっと手間のかかるP504iSだが、撮影した画像はすぐにiショットで送信できる。撮影後のプレビュー画面で[保存]の代わりにメールボタンを長押しすればいい。画像が保存されて添付ファイルが設定されたメール送信画面に切り替わる。

 ただしこの機能は画面にガイダンスもなくマニュアルをよく見ないと分からない。意外と頻繁に利用する機能であり重要な機能でもあるので、もう少し積極的なアピールが必要だろう。

 保存済みの画像ファイルは、画像を表示させた状態でサブメニューから「メール貼付」を選ぶか、メール作成画面の添付ファイル指定から選択することでiショットで送信できる。1度で1枚の画像しか送れない点は本製品でも変わりない。これはiショットというメールシステムの問題なのだが、やはり手間だ。

 撮影中の画像の保護はしっかりしている。撮影直後のプレビュー中に着信があっても、通話もしくは呼び出し終了後にプレビュー画面に自動で戻る。カバーを閉じてしまった場合も同様だ。またプレビュー中に終話ボタンを押すと「保存しますか?」と確認される。この点はほぼ万全といえる。

このように撮影した画像のプレビュー中に終話ボタンを押しても保存の確認画面になる安全仕様だ

カメラ「も」欲しいユーザーにはお勧め

 P504iSはiアプリ対応+カメラ内蔵と、ドコモ端末では(FOMAを除けば)最大公約数的な製品だ。トレンドを満たした多機能で、それでいてコンパクトな端末が欲しい人なら買って損はない。カメラを内蔵しない折りたたみ端末と比較しても、まだまだコンパクトなのは大きな魅力だ。

 反面、疑問が残る点も多い。大容量メモリを搭載し非常に多く画像撮影が可能なのはいいが、メモリカードもサポートしておらず、赤外線で送受信が可能なのは現在P504iS同士のみ。

 PCやPDAでも赤外線ポートがあれば受信できるが、JPEGファイルをvNote形式にエンコードしたテキストファイル(画像本体はBase64エンコード)になっており、デコーダがないと画像として扱えない(11月14日の記事参照)。また送信は1件ずつであり、JPEGファイルとしてデコードが可能でも複数枚の画像を転送するには手間がかかる。

 もちろん端末単体で楽しむ、気に入った画像だけiショットで送信するという人ならかまわないのだろうが、日々持ち歩いてデジカメ代わりに使いたい人には不満が残る可能性も。画像をまとめてPCに取り込むには、対応した電話帳編集ソフトなどを利用するしかない。

 しかし純正の電話帳編集ソフトは画像の転送に対応していないし(壁紙に設定すれば可能)、サードパーティ製では現時点で「ケータイリンクIV」のβ版がP504iSに対応しているが、こちらも壁紙に設定した画像しか転送できない。大量の画像を撮影可能なだけにこの点には注意がいる。

 本製品の最大の魅力はやはり極めてスマートにカメラユニットを内蔵したことだ。これまでのカメラ内蔵ケータイというとどうしても大きめで、これみよがしにカメラユニットが目立つ傾向があったからだ。これまでは「カメラ内蔵ケータイはサイズやデザインがちょっと……」といった理由で避けていたような人でも、十分納得のいく製品といえる。



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[坪山博貴, ITmedia]

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