設定はCLIE、録画は小型レコーダで〜「PEGA-VR100K」を試す(2/2)
本機と連携できるCLIEはARM系CPUを搭載した製品に限られており(TJ25除く)、今回はPEG-UX50(8月12日の記事参照)と組み合わせて試している。なおUX50以外はMoviePlayerのアップデートが必要で、本機にもCD-ROMとして付属するという。 CLIE側には、Video UtilityとTV Scapeの二つのアプリケーションを追加するだけでいい。Video Utilityで本機の設定や録画予約を行い、TV ScapeではEPGとして取得した番組表からワンタッチで録画予約も行える。今回は番組表の取得を無線LAN経由のブロードバンド環境下で行ったが、1日分は1〜2秒で取得できた。番組表の一覧性などはPCのiEPGに比べて一覧性は劣るが、利用時の感覚はほとんど変わらない。
録画予約を行ったメモリースティックを本機のスロットに差し込み、スタンバイ(OFF)状態にしておけば予約録画が実行されるが、本機の電源がオンの状態では予約録画されない点には注意が必要。“録画予約の情報を含むメモリースティックを差込んだ場合には予約録画の実行を確認する”といった改善はほしいところだ。もちろんオフの状態でメモリースティックを差し込んでも予約録画は実行されるので、本機をテレビチューナー代わりに使わないなら、常時オフにしておけばいい。
本機での録画はCLIEで動画を保存する既定のフォルダに対して行われるので、CLIEにメモリースティックを差し込み、MoviePlayerを起動すれば即座に再生できる。このあたりはほとんど意識する必要もなく、専用周辺機器のメリットといえる部分だ。
画質はどうなのだろう。本機では高画質(HQ)、標準(SP)、長時間1/2(LP1/2)の4つの録画モードが用意される。長時間1/2は128Mバイトのメモリースティックでも130分の録画ができるが、ちょっとテレビ録画では大きめのテロップも読み取れず、「雰囲気は楽しめる」という程度になる。
高画質や標準では小さめのテロップこそ文字が潰れてしまうが、それでも概ね読み取れる。CLIEの画面サイズを考慮すれば十分な画質であり、15fpsと動きも滑らかだ。高画質では音声のビットレートも128Kbpsと高く、音楽番組なども十分楽しめる。やはり高画質と標準が利用の中心になるのではないだろうか。 半面128Mバイトでは、高画質で30分、標準でも60分しか録画できない。片道1時間程度の通勤時間で往復で楽しんだり、映画を丸々1本楽しむには最低でも256Mバイト、できれば512Mバイトのメモリースティック、つまりメモリースティックPROが欲しくなるだろう。この場合には1万5000〜3万5000円程度の追加投資が必要になる。 本機はCLIEをはじめとする対応モバイルデバイス用の周辺機器という位置づけられている。そのため対応デバイスがなければ録画予約も行えないなど汎用性は低い。CLIEとセットでの購入となれば価格的にも敷居は高い。 しかし専用周辺機器とすることで、「モバイルでビデオを楽しむ」という提案を、これまでになく身近な形にしているのも事実だ。「朝のニュースを通勤中に見る」「連ドラを昼休みに見る」──そんなスタイルを面倒な操作なしに実現してくれるという意味では画期的な製品といえるだろう。 関連記事 ソニー、携帯電話サイズのTVチューナー内蔵モバイルAVビューアー「MSV-A1」発表 ソニーが、携帯電話並みの手のひらサイズに液晶ディスプレイとTVチューナーを装備し、メモリースティック Duoで録画・再生可能なモバイルAVビューアー「MSV-A1」を発表した。 ソニー、メモリースティック専用ビデオレコーダー TV番組を録画してモバイル環境に持ち出す新アプリケーション「モバイルムービー」を積極的に展開する。 録画したテレビ番組をケータイで再生〜「A5404S」 ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ端末「A5404S」は、130万画素CCDを搭載、メモリースティック録画対応のテレビやビデオレコーダーで撮ったコンテンツを携帯電話で再生できる。 名機か迷機か? 新スタイルCLIE「PEG-UX50」を試す CLIEとしては初のクラムシェル型ボディで登場した新しいCLIE「PEG-UX50」。これまでと異なる機構を採用したUX50の使い勝手はどのようなものなのだろうか。 ソニー、“新ベガエンジン”と3つの“スタジオ”を搭載した「WEGAシリーズ」 ソニーが、フラット画面TV「WEGA(ベガ)」シリーズの新製品を発表。新WEGAシリーズでは、さらに高画質化を図った新しい“ベガエンジン”と、PCやAV・モバイル機器などとの連携を強化する「スタジオ・アプリケーション」を搭載した。 [坪山博貴, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 前のページ | 2/2 | 最初のページ モバイルショップ
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