Mobile:NEWS 2003年10月17日 07:29 PM 更新

設定はCLIE、録画は小型レコーダで〜「PEGA-VR100K」を試す(2/2)


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CLIEを使って簡単予約、再生

 本機と連携できるCLIEはARM系CPUを搭載した製品に限られており(TJ25除く)、今回はPEG-UX50(8月12日の記事参照)と組み合わせて試している。なおUX50以外はMoviePlayerのアップデートが必要で、本機にもCD-ROMとして付属するという。

 CLIE側には、Video UtilityとTV Scapeの二つのアプリケーションを追加するだけでいい。Video Utilityで本機の設定や録画予約を行い、TV ScapeではEPGとして取得した番組表からワンタッチで録画予約も行える。今回は番組表の取得を無線LAN経由のブロードバンド環境下で行ったが、1日分は1〜2秒で取得できた。番組表の一覧性などはPCのiEPGに比べて一覧性は劣るが、利用時の感覚はほとんど変わらない。


Video Utilityでは受信チャンネルの設定も地域を選ぶだけ。任意のチャンネルを追加したり、削除することも可能だ。ジャストクロックをONに設定しておくと、NHKの時報を利用して時計の微調整も行う


録画予約では毎日、毎週、平日のみといった繰り返し設定はもちろん、繰り返し録画の場合は同じ番組は上書きするようにも設定できる。録画モードも個別に設定でき、一般的なビデオデッキとなんら変わらない予約録画機能を備える


予約録画の一覧は録画時刻やタイトルを切り替えて表示させられる。事前に予約録画を本体に登録し、任意にメモリースティックに転送することも可能だ。これは複数のメモリースティックを活用する際に便利だ


番組表はチャンネルごととシンプルながら実用性は十分で、番組ごとの詳細表示も行える。同一時間帯の複数チャンネルの一覧を表示させることも可能だ

 録画予約を行ったメモリースティックを本機のスロットに差し込み、スタンバイ(OFF)状態にしておけば予約録画が実行されるが、本機の電源がオンの状態では予約録画されない点には注意が必要。“録画予約の情報を含むメモリースティックを差込んだ場合には予約録画の実行を確認する”といった改善はほしいところだ。もちろんオフの状態でメモリースティックを差し込んでも予約録画は実行されるので、本機をテレビチューナー代わりに使わないなら、常時オフにしておけばいい。


メモリースティックを差し込むと録画予約の件数が数秒間表示され、録画予約を行っていないメモリースティックとの差し間違いを防ぐ。本機の電源がオフの場合にはディスプレイが発光しないので、確認が困難。電源がオフの場合でも録画予約の件数表示時だけでもディスプレイが発光すると便利だろう

 本機での録画はCLIEで動画を保存する既定のフォルダに対して行われるので、CLIEにメモリースティックを差し込み、MoviePlayerを起動すれば即座に再生できる。このあたりはほとんど意識する必要もなく、専用周辺機器のメリットといえる部分だ。

快適に楽しむなら、512Mバイトのメモリースティックは必須

 画質はどうなのだろう。本機では高画質(HQ)、標準(SP)、長時間1/2(LP1/2)の4つの録画モードが用意される。長時間1/2は128Mバイトのメモリースティックでも130分の録画ができるが、ちょっとテレビ録画では大きめのテロップも読み取れず、「雰囲気は楽しめる」という程度になる。

録画モード録画サイズフレームレート転送レート
高画質320×240ピクセル15fps512Kbps
標準320×240ピクセル15fps280Kbps
長時間176×144ピクセル15fps128Kbps

 高画質や標準では小さめのテロップこそ文字が潰れてしまうが、それでも概ね読み取れる。CLIEの画面サイズを考慮すれば十分な画質であり、15fpsと動きも滑らかだ。高画質では音声のビットレートも128Kbpsと高く、音楽番組なども十分楽しめる。やはり高画質と標準が利用の中心になるのではないだろうか。

 半面128Mバイトでは、高画質で30分、標準でも60分しか録画できない。片道1時間程度の通勤時間で往復で楽しんだり、映画を丸々1本楽しむには最低でも256Mバイト、できれば512Mバイトのメモリースティック、つまりメモリースティックPROが欲しくなるだろう。この場合には1万5000〜3万5000円程度の追加投資が必要になる。

 本機はCLIEをはじめとする対応モバイルデバイス用の周辺機器という位置づけられている。そのため対応デバイスがなければ録画予約も行えないなど汎用性は低い。CLIEとセットでの購入となれば価格的にも敷居は高い。

 しかし専用周辺機器とすることで、「モバイルでビデオを楽しむ」という提案を、これまでになく身近な形にしているのも事実だ。「朝のニュースを通勤中に見る」「連ドラを昼休みに見る」──そんなスタイルを面倒な操作なしに実現してくれるという意味では画期的な製品といえるだろう。



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[坪山博貴, ITmedia]

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