海外GSM事業者のSIMカードを日本で使う(1/2 ページ)

» 2004年03月09日 22時57分 公開
[山根康宏,ITmedia]

 ボーダフォンのW-CDMAサービス「Vodafone Global Standard(VGS)」は3GPP準拠の国際標準規格を採用しており、ローミング契約を結んだ海外GSM事業者のSIMカードをW-CDMA端末に挿入することで、日本国内でローミング受け入れを行っている。これは通信方式を3GPPが標準化する前にサービス開始したFOMAのネットワークでは行えず、VGSのアドバンテージとなっている。

海外から訪日するユーザーの日本ローミングが可能

 ボーダフォンは既に昨年10月から、訪日する外国人ユーザー向けに「ボーダフォングローバルレンタル」を開始1月21日の記事参照。その後、成田空港や関西国際空港に専用カウンターを設け、W-CDMA対応端末「Nokia6650」のレンタルを行っている。海外からの訪日者は日本の空港に到着後、その場で端末をレンタルして、自分のSIMカードを挿せばすぐに使用できるのだ。

 成田空港第一ターミナルのボーダフォンカウンターは広く明るいイメージ。おなじみの真っ赤なロゴは、海外からの渡航者にとっては見慣れたもの。日本に到着してこのロゴを見かければ、ちょっと安心するかもしれない。なお「ボーダフォングローバルレンタル」でNokia6650をレンタルする場合、料金は1200円/日、保険(オプション)が400円/日、最短レンタル期間は3日間となっている。

 カウンターではPDC端末のレンタルも行っているが、自国のSIMカードの使えるGSM圏からのユーザーならNokia6650のレンタルが魅力的だろう

 海外から訪日するユーザーは、上記ボーダフォンのレンタル以外にも、もちろん自国からW-CDMA機を持ち込んで利用してもいい。また成田空港や箱崎などのNokiaショップでNokia6650を購入し、そこに自分のSIMカードを挿入して使用することも可能だ。なお2004年3月現在、SIMカードを自由に挿入して使えるW-CDMA対応端末は数が少なく、Nokia6650、Nokia7600の2機種が現実的な選択肢となる。

Nokia6650とNokia7600

日本到着、Nokia6650の電源を投入

 今回は海外からNokia6650を持ち込み、香港のGSM事業者であるCSLとSmarToneのSIMカードを使って日本ローミングをテストしてみた。

 成田に到着後、Nokia6650の電源を入れれば、画面には「J-PHONE」と表示され、無事に日本のボーダフォンでローミングされたことが分かる。なお海外出発時にNokia6650のネットワークモードが「GSM」のままでは、日本国内でボーダフォンのW-CDMAネットワークを拾うことができない。その場合は成田到着後、設定を「W-CDMA」または「Dual Mode」に切り替える必要がある。

 GSM圏の場合、他国を訪問してその国のネットワークと接続すると、たいていその事業者からのウェルカムメッセージがSMSで届く。日本の場合も、ボーダフォンからほどなくして2通のSMSが到着した。

ネットワーク表示は「Vodafone」ではなく「J-PHONE」となる。挿入するSIMカードによっては、下にその事業者のネットワーク名が表示されるものもある。左はSmarToneのSIMを挿入したもので、「SmarTone」と表示される。CSLのSIMを挿入した場合(右)は、表示は「J-PHONE」だけだ
ボーダフォンから届くSMS。「the only operator in Japan welcoming GSM customer's」というメッセージ内容はちょっと洒落ている。右は緊急電話のかけ方で、警察や消防署への通報は公衆電話を使うようにというアドバイス

日本国内でのローミングは、まさに自国内そのもの

 さっそく日本国内でローミングを試してみた。使用できるエリアはボーダフォンのサービス提供エリアとまったく同じだ。すぐに中国の知人から香港の番号に電話がかかってきたが、そのまま日本で着信し、電話を取ることができた。まだ日本でのローミングはあまり認知されておらず、「え、今日本なのに何で電話がかかるの?」と相手はちょっと驚いた様子。

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