海外GSM事業者のSIMカードを日本で使う(2/2 ページ)

» 2004年03月09日 22時57分 公開
[山根康宏,ITmedia]
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香港からの着信画面。番号通知されている。なお電話帳に番号が登録されていれば、左のように名前が表示される。ただし発信側の国際電話のかけ方によっては、番号通知されないこともある

 日本で利用できるサービスは、使用するSIMカードの事業者の日本ローミング条件による。今回利用したSIMカードはどちらも音声通話、SMS、MMS(マルチメディアメッセージング)、WAP、GPRS(パケット通信)とフルサポートされており、香港内とまったく同じサービスが日本でも利用できた。

 音声通話は、日本国内は電話番号をそのまま入力して発信すればよく、海外への発信は海外では標準の「+」を付けて国際発信する。ただし日本国内にかける場合は「+」発信が使えない。電話帳に登録してある日本の電話番号が「+81-3-xxxx-xxxx」の場合はそのままではつながらず、「03-xxxx-xxxx」と入力して発信しなくてはならない。これがやや面倒だ。マイライン導入により国際発信には「010」が必要となったことが影響しているのだろうか。

 SMS、MMSもそのままの利用が可能。SMSやMMSを電話番号宛に送る場合は、音声通話同様に「+」「国番号」「電話番号」を指定すればよい。Nokia6650の内蔵カメラで撮影した写真も電話番号やEメール宛に送信が可能だし、海外の知人からMMSで送られた写真や動画もきちんと受信できる。またWAPサイトにアクセスし、コンテンツを閲覧することも当然可能。日本にいながら香港のコンテンツサイトから壁紙ダウンロードを行う、なんてこともできるのだ。

SMSのみならず「海外版写メール」であるMMSの送受信も可能
WAPサイトにアクセス。待ち受け画面のダウンロードを試してみた

 またNokia6650はBluetoothを内蔵しているため、ノートPCとNokia6650をBluetoothで接続してネットにもつなげられる。

Nokia6650とノートPCをBluetoothでワイヤレス接続。インターネットにもアクセスできる

 さて日本国内でのローミング料金はもちろん利用する海外事業者が定めたものによる。海外では着信も課金される事業者が多く、その場合は日本国内での利用でも着信料金がかかるので注意が必要だ。また現在はボーダフォンでしかローミング受け入れができないが、将来、ドコモのFOMAネットワークがバージョンアップされれば、FOMA回線でのローミング受け入れもできるようになるかもしれない。そうなると将来、日本滞在中にVGS、FOMAと、選ぶ回線によってローミング料金が異なるということになる可能性もあるだろう。

日本もようやく海外の仲間入り

 GSM圏内であれば、自分の端末に自分のSIMカードを挿入したまま他の国へ行き、そのまま自分の電話番号を利用することは既に一般的である。

 一方、今までは海外から日本へ渡航する場合、一部のCDMA事業者の端末を利用している以外は、日本の端末をレンタルする必要があった。自分の電話番号や、自分の使い慣れた携帯電話を使えないため、勝手がいいとはいえず、またレンタルする日本の端末は、メニューやインターフェース構造の異なるメーカーのもの。いくら日本のケータイが高機能といわれても、受け取ってその場ですぐに使いこなせる端末でなければ、海外からの渡航者には意味のないものになってしまう。忙しいビジネスマンなどは電話番号が変わるだけでも大変なため、自国で日本の携帯をレンタルし、自国の番号を国際転送するというパターンも多いが、これも転送設定がわずらわしい。

 ボーダフォンのW-CDMA採用は、日本人も自分の端末を海外GSM圏にそのまま持っていき、海外でそのままローミングできるというメリットをもたらした。そしてそのまま逆のこと、すなわち海外GSM圏からの訪日ユーザーも、海外の電話番号のまま日本でローミングすることが可能になったのだ。GSM圏の“普通”がようやく日本でも実現できるようになったことは、海外から日本へやってくるビジネスマンや旅行者には朗報であろう。

 ただし海外では、日本でローミングできることの認知度がまだまだ低い。せっかく海外ローミング対応のSIMカードを所有していながら、日本にやってきて携帯電話を使わないというのももったいない話だ。このあたりはボーダフォンも、もっと海外に日本ローミングをアピールする必要があるだろう。

香港の街中の、W-CDMA/GSMデュアル端末Nokia7600の広告。あえて日本語で日本ローミングが可能なことをアピールしている
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