日本語変換は、最近のN端末でおなじみの1文字を1キーで入力できる“T9”(用語参照)と、トレンドになっている読み予測+次文節予測変換だ。P505iSと比較すると、大幅な進化といえるだろう。
T9で数字キーを“20540”、つまり“かわなたわ”と入力したところ。ここから文字列を予測し、「こんにちわ」と候補表示してくれる |
もっとも、P900iの読み予測用の辞書は、初期状態で何も登録されていない点に注意したい。通常の日本語変換を繰り返していかないと、文字入力の省力化はできない。
通常のかな入力での読み予測変換。“さようなら”は一度入力したので学習したが、初期状態では予測変換候補は全く登録されていない |
P505iSでは、ある程実用的な読み予測用の辞書が最初から準備されていた。T9を利用しない場合、P900iに機種変更してしばらくは、不便を感じることになりそうだ。また、予測変換候補の選択には、下キーの長押しが必要であり、左ソフトキーを利用するP505iSのほうが使いやすく感じた。
もう1つ、文字入力周りの変更点を挙げると、日本語入力で記号、濁点や半濁点、長音符の割り当てられたキーが変更されてしまっている。また、かな入力の遡り(う→い→あ)キーが右側面のホームキーになり、左手で文字入力を行っていると、いまひとつ直感的に利用できない。ちなみに、ソフト上の“姉妹機”といえるN900iでは、ホームキーが左側面上方にあるため、左手親指でアクセスしやすい。このあたりは、何かソフトとハードのミスマッチを感じる部分だ。
アドレス帳も、好みの分かれるところ。P505iSはトレンドの「あ」「か」「さ」といったタブ付きの一覧で、数字キーを押すとタブを移動する。P900iでは、タブという概念はなく、数字キーは一覧から選択になる。左右キーでページスクロールという点は共通だが、操作性はかなり異なる。
ここまでで触れてきたとおり、同じP端末でもPDCとFOMAでは、操作性やソフトウェアが大きく異なる。どちらが良いとは単純に判断できないが、「同じP端末だから」という相似性を期待しないほうがよいことだけは、間違いない(なお、NECと共同開発のソフトウェアはP2002/P2102Vでも既に導入されている)。
もちろん、この程度の操作性・機能の違いは、機種変更で端末メーカーも変えてしまえば、当たり前のこと。しかし、ドコモのP端末やN端末は「操作性や機能が継承されるため、安心して機種変更できる」という、特殊な存在だった。それだけに、P900iでソフトウェアが大幅に変更されたことは、PDCのP端末からFOMAへの移行を考えるユーザーは、しっかりと把握しておいたほうがいいだろう。
なお、ここで触れたことと、P900iの携帯電話としての純粋な魅力はまた別の話。前回のレビューでも触れたが、魅力的な最新端末の1つであることは間違いない。その魅力については、引き続き検証していく予定だ。
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