“後だしジャンケン”の最強ワンセグ携帯――写真で解説する「905SH」(1/2 ページ)

» 2006年05月18日 13時00分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 「ワンセグ端末としては、4番目の登場になる。後発なので差別化しなければならないが、ワンセグの番組は地上波のサイマル放送だから、コンテンツで差別化はできない」――。ボーダフォンのプロダクトマネジメント部、プログラムマネジメントグループの佐藤毅氏は、905SHの開発にあたり頭を悩ませたと話す。

 それなら、視聴スタイルで差別化するしかない。“サイクロイド型”と呼ばれる独特の回転機構を備えた905SHは、こうして誕生した。テレビ視聴の操作体系も含めて正式公開された905SHの特徴を、佐藤氏に聞いた。

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 携帯でテレビを見る場合、16:9の画面比でより大きく見せようとすると、どうしてもディスプレイを横に使う必要が出てくる。auの「W33SA」と「W41H」は回転2軸ヒンジを備え、ディスプレイを上にした状態で折りたたんで視聴するスタイルを提案した。「P901iTV」はこれとは異なり、ディスプレイを横に90度傾けた状態で固定し、これなら視聴しながらダイヤルキー部も操作できるとアピールした(2月21日の記事参照)

参考:W41HとP901iTV、それぞれの視聴スタイル

 しかし上記の方法ではいずれの場合も、机に置いて視聴する場合は基本的にクレードルに固定することになる。「クレードルを、毎日外出先に持ち歩く人などいるだろうか。そんなものは、持つはずがない。2つ折りにした状態で、机に置いて見るのが正しい見方だ」(佐藤氏)。905SHの場合はサイクロイド型ヒンジのため、横向きディスプレイでダイヤルキー操作が可能、かつクレードルなしで机に固定できるとアピールする(3月31日の記事参照)

(左)クレードルなしで、机に固定できるのが905SHの強み(右)アンテナも立体的かつ自由に動かせる

 テレビは「TV」キーから一発起動できるほか、ディスプレイを指でスライドさせて縦位置から横位置にした瞬間に起動する機能も備えた。「auのようにアプリを立ち上げる仕組みではないので、テレビの起動は早い。だいたい1秒程度しかかからない」。もっともワンセグの通信特性上、電波を受信するのに時間がかかるため、画面が映るまでには5秒ほど待つ必要がある。

 ワンセグの連続視聴時間は、イヤフォン使用時で最大4時間。「これは後だしジャンケンだが、W41Hが3時間45分だと聞いて『じゃあ4時間にしよう』と考えた」(笑)。現段階では、ワンセグ端末として最長の視聴時間だとうたう。

 さらに、905SHは番組をminiSDカードへ録画可能にした。これはワンセグ対応携帯として、初めての試みだ。「D-pa(地上デジタル放送推進協会)の側で議論が整理され、miniSDへのコンテンツ録画が可能になった。ARIB(Association of Radio Industries and Businesses)でも審議される予定ということで、開発した」。64Mバイトカードで約20分、1Gバイトカードでは約5時間20分の録画が可能になる見込み。業界では初めて、EPGからの録画予約も可能になるという。このあたりは、後発ならではのメリットといえそうだ。

側面と、裏面。厚さは27ミリとやや厚いが、ハイエンド端末としては許容できるレベルか

通話とテレビが共存する「マルチジョブ機能」

 905SHのテレビ機能を語る上で、大きな特徴になるのが「マルチジョブ機能」だ。テレビと通話、複数のジョブ(動作)を同時進行で行える。

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