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インタビュー2007年03月20日 10時30分 更新
吉岡徳仁氏インタビュー:“感じる”携帯を目指して──「MEDIA SKIN」へ注がれた愛情 (3/3)MEDIA SKINは“アート”に近いケータイ
吉岡氏はその“感じるケータイ”を「アートに近いケータイ」と表現する。 「アートって本来、理屈抜きにその人の感性で感じるものですよね。携帯電話でも、触感ももちろんそうだし映像や音楽も、全部感覚に近いもの、感じるものだと思うんです。デザインというと、形をいかに作るかということが重視されますが、人はものを判断するとき、その形以上に触感とか、光り方とか音とか、いろいろな情報をもとに判断する。だから、そういう感覚というものも取り入れて、デザインをしました。」 その言葉通り、吉岡氏のデザインは五感で感じるあらゆる部分に及ぶ。 ソフトで心地いい触感に加え、視覚で感じる形や色、ディスプレイを覆うガラスの光沢から、画面デザインはもちろん、アーティスト KUJUN氏とのコラボレーションにより、聴覚で感じる効果音などのサウンドもデザインの一環。メニューやサウンドのデザインに際しても、できるだけ既存のケータイっぽくないもの、“今までにない驚きや喜びを感じられるもの”を目指したという。 互いの仕事を尊敬できたことが、プロジェクトの成功要因MEDIA SKINが五感に訴えるデザインをまとい、“感じるケータイ”を体現できた背景には、もちろん、技術の進化やメーカーの努力によるところも大きい。吉岡氏も「コンセプトモデルを発表した当時の技術では、たぶんこの大きさ、バランスでは製品化できなかったと思います」と語る。 「こういうもの作りでは、デザインだけでなく、技術も一緒になって作っていかなければいけません。ある意味では子どもを作るようなもので、僕がお父さんなら、メーカーがお母さんですよね。僕自身、その過程を大変楽しみながら進められました。」 「普通ならデザイナーがこうしたいと言っても、それは技術的にできないということもあると思います。しかし今回は、僕がこうしたいと思ったことをどうしたら実現できるか、開発担当の方全員が前向きに考えてくれた。auの方も、僕以上にデザインにこだわってくれました。」 吉岡氏も言うように、デザインコンセプトを製品化する過程でデザイナーの目指す方向性と技術の間で折り合いがつかず、どちらかが妥協を余儀なくされるケースもある。MEDIA SKINが何より革新的なのは、その両方を妥協せずに両立させた点だ。 メニュー画面やサウンドから、卓上ホルダに至るまでひとつひとつが妥協なくデザインされている。そして本体を卓上ホルダにセットすると、本体とそれが一体となり、卓上テレビのように横向きでワンセグが視聴できるようにもなっている。本体だけでなく、本体と持つ人、あるいは本体を卓上ホルダにセットした全体のフォルムに渡ってもデザインと機能がみごとに調和している。 ![]()
デザインはもちろん、ワンセグ視聴に適する横位置スタイルや、長さ・高さにもこだわった卓上ホルダ。「卓上ホルダまでデザインされた携帯があまりなかったので、今までにないものを作るという意味でも本体と似た質感に、かつ一体感のあるデザインを目指した」という「デザインケータイというと、形はいいけどその分機能が削られていたりということもあったと思いますが、このMEDIA SKINは、その名前の通り“メディアの皮膚”として、最先端のものを入れることができたことがなによりよかった。多機能ながらこサイズにできたのは、それだけでも“モノ”としてもとてもおもしろい携帯だと思います。」 「僕も自分にできない技術のことでは、素直に驚かされることがたくさんあったし、今回は互いの仕事を尊敬できたことで、すごくうまくいったケースです」と吉岡氏。MEDIA SKINが高いデザイン性を持ちながら、“au最薄のワンセグケータイ”という称号とともに多機能かつフォルムにも魅力のある端末となり得たのは、デザイナーと技術者・開発者がともに今までにないケータイを目指し、長期に渡ってコミュニケーションを重ねた結果だろう。 「携帯も家電と同じ多品種少量生産体制になるだろう」(KDDIの小野寺社長)、「2007年は、過去最多となった昨年の数並みの端末を投入する」(NTTドコモの中村社長)と携帯キャリアのトップが述べるように、市場が成熟した携帯業界の今後は、季節ごとに新機種が今まで以上に多く登場する体制になっていくことを示唆している。そんな中で“人を惹きつける”には何が必要か──MEDIA SKINは、そのいろいろな思いが凝縮されて生まれた、吉岡氏とauの愛の結晶だと思わざるを得ない。 関連記事
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