M702iGのメインディスプレイは、最近の端末としてはやや小さめとなるQVGA表示対応の2.2インチパネル。カメラ起動時はディスプレイ全体がファインダーとなり、撮影情報などは半透明に透けるUIで表示される。
シャッターは[決定]キー(閉じて自分撮りするときは[サイド]キー)で切る。撮影から保存までにかかる時間は、じつは測定不能。最大サイズの2MピクセルモードでmicroSDに保存する場合も撮影したらシャッター音からすぐ確認画面になるし、そこで“保存”を選ぶと、すぐ保存完了のメッセージが出る。そういう意味で、待ち時間のストレスがまったくない。これはすばらしい。
撮影後は、機能と送信の2種類のメニューが表れる。このあともなかなか遊べるのである。
機能メニュー内には、保存や削除のほかに編集と設定の項目がある。“設定”の項目より、撮った写真をその場で壁紙やスクリーンセーバーに指定でき、“編集”の項目から、撮った写真をその場でいじれる。これは再生モードからでもできるので詳しくは後述しよう。“送信”の項目から、メール、赤外線、Bluetoothのいずれかで即送信することもできる。
では再生してみよう。
画像を再生するとサムネイルが表示される。このとき「内蔵メモリ」内の写真も「microSD」内の写真も一緒に並ぶ仕組みになっている。そういえば多くの端末はこのような仕組みではないが、どちらにあるかを意識することなく使えるので、実はこれ、なかなか使いやすい。ちなみに、どちらに保存されているかは右上のアイコンで判別できる。
個々の写真に対してできることはいろいろあるが、注目したいのは「編集」と「アルバムに追加」機能だ。
M702iGはデータフォルダに「ピクチャアルバム」という名称のフォルダがあり、気に入った写真をそこに登録することでそれだけをまとめて観ることができる。アルバム用のフォルダは複数作れるので、テーマ別に分けておくといいだろう。
編集機能もかなり凝っている。「フレーム入り写真」などもここから作成できる。編集項目には、明るさ、コントラスト、シャープネス、回転、反転、フレーム、画像エフェクトなどがある。“画像エフェクト”は写真を赤っぽくしたり白黒にしたりできるエフェクト機能だ。
ところで、“フレーム”も“エフェクト”もカメラそのもの機能ではなく、編集機能として用意されるのがポイント。そのため、撮ったあとで自由に編集できるようになっている。その分カメラ機能がシンプルになるわけである。ちなみにフレーム機能は最大サイズの画像に対しても、あるいは90度回転させた横向き画像に対しても挿入可能。これもまた遊べる。
少々気になるのは画像の保存の方法。microSDに保存する場合、多くの端末はデジタルカメラの「DCF」という仕様にのっとってフォルダを作成して保存する。しかしM702iGはDCFをみごとに無視している。ファイル名は「日-月-年_連番.jpg」だし(年月日の順でないのに注意。海外メーカー製の端末だからか)、保存するフォルダも独自の名称。PCのデジカメ用ソフトで写真を管理したい人はその辺に注意したい。
このようにM702iGのカメラ機能は、機能も画像もメリハリがはっきりしており、ある意味“潔い”仕様だ。得意な被写体は得意、苦手な被写体は苦手──そんな感じである。
もう1つ、QVGAだろうが2Mだろうが、その後の画像編集にあたってどのサイズでも分け隔てなく使えるという設計思想が美徳である。例えばフレームはどのサイズの画像にも付けられるのはもちろん、2Mサイズの大きな画像へ挿入する場合でもフレーム画像がデコボコにならなず、スムーズできれいに作成できる。フレームの画像をベクトルデータで持っており、画像サイズに合わせて展開しているのだろう(……ただ、フレームデザインのセンスはどうかと思うけど)。
そのため、今のシンプルな機能を維持したまま、不得手な環境でもそこそこ撮れるようにする。加えてAFでも付いたら、かなりいいところまでいくのではなかろうか。
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