これから本格普及の中国3G、日本の携帯技術にも関心集まる──ドコモ、シャープが「より便利」「高画質」をアピールP&T/Expo Comm China 2008(2/2 ページ)

» 2008年10月24日 16時43分 公開
[山根康宏,ITmedia]
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“AQUOS”軸に中国携帯市場へ本格参入、中国来場者の評判も上々──シャープ

photo シャープブース

 シャープは2008年6月に“AQUOSケータイ”で中国の携帯市場に参入。市場参入直後の大型展示会とあり、端末のタッチ&トライコーナーはかなりの人だかり。ブースは「日本製、高画質液晶」といったうたい文句が多く見られ、同社ならではの特徴を大きくアピールしていた。

 シャープの中国市場向け製品は、サイクロイドスタイルの“AQUOSケータイ”「SH9000」シリーズと、ブランド名がない「SH8000」シリーズで展開する。デモコーナーには発売中の2機種と新製品の1機種が展示され、中国や海外メーカーにはない端末独特の機能やデザインに興味を持つ来場者が多かった。

 「SH9010」は2008年6月に発売された機種で、ベース端末はソフトバンクモバイルの「920SH」(日本では2007年11月発売)。ワイドVGA(480×854ピクセル)の3.2インチNewモバイルASV液晶や320万画素AFカメラなどの特徴を継承しつつ、中国向けのためワンセグは搭載せず、通信方式はGSMとなる。

 「SH8010」はソフトバンクモバイルの「PANTONE Slide 825SH」(日本では2008年7月発売)がベースのスライド端末。SH9010と同様に中国向けにアレンジされている。ちなみに、海外向けモデルながら絵文字機能も搭載しており、メールなどでの利用が可能だという。

 「SH9020」は2008年11月発売予定の最新モデル。ワイドVGA(480×854ピクセル)/1677万色表示対応の3.3インチNewモバイルASV液晶、サイクロイドボディ、520万画素のAFカメラなどを搭載するハイエンド仕様が特徴で、ベースモデルは日本でも最新クラスの「AQUOSケータイ 923SH」(日本では2008年7月発売)である。

photophoto 920SHがベースの中国市場向け“AQUOSケータイ”「SH9010」(左)。PANTONE Slide 825SHの中国版モデル「SH8010」(右)
photophoto タッチ&トライコーナーで表示の美しさに驚く来場者が多く、名刺リーダー機能やモーションセンサーのデモなどにも人気が集まっていた(左)。最新モデルの「SH9020」は2008年11月発売予定。価格は5000元前後(約7万5000円 2008年10月末のレート換算)とのこと

 いずれのモデルも現在中国国内で販売されるモデルと比べると、飛び抜けた高い仕様が特徴。大画面、高解像度のディスプレイの精細かつ美しい表示は「これは(デモ用の)はめ込み画像じゃないの?」と確認する来場者の姿もあったほどだ。モデルを使った携帯カメラ機能の撮影体験コーナーや名刺リーダー機能のデモも行われていたが、携帯の画面とは思えない画面のきめ細かさや文字の認識率の高さに驚きの声が上がっていた。スペック上の数値以上に実製品の性能が多くの来場者に伝わったのではと思われる。

 このほか、来場者が行っている質問に耳を傾けると「テレビは見られないのか」といった声がよく聞かれた。中国ではCMMB方式によるモバイルデジタルテレビが開始されたほか、多くの中国メーカー端末がアナログTVチューナーを搭載する。同社の液晶テレビ“AQUOS”ブランドを冠した高画質ディスプレイ搭載携帯だけに「テレビ機能もないと」ということだろう。こちらは今後の展開に、大いに期待したい。

photophoto モデルを使ったAQUOSケータイ「SH9010」「SH9020」の撮影試用コーナーも設けられていた。中国国産や海外メーカーにはないデザインなどが若い来場者の注目も集めていた

山根康宏:香港在住の携帯電話研究家。一企業の香港駐在員時代に海外携帯電話に興味を持ち、2003年に独立。アジアを中心とした海外の携帯電話市場の状況や海外から見た日本の携帯電話市場についてなど、海外の視点からコラムや記事を日本のメディアに執筆するほか、コンサルティング活動も行う。携帯コレクターとしても知られ、所有する海外携帯電話の数は500台以上。


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