5月は、国内主要キャリアの新製品発表会もあったので簡単に振り返っておこう。5月15日にはKDDI、16日にはNTTドコモ、そして29日にソフトバンクモバイルとウィルコムによる夏モデルの新製品発表会が開催された。
まず、国内で唯一のWindows Phone端末である「Windows Phone IS12T」を販売しているKDDIの発表会では、Windows Phoneの新機種は発表されなかった。
また、発表会では「ビデオパス」「うたパス」といった購読型の新サービスが発表されたものの、これがIS12Tに対応するかどうか、言及されなかったのも残念だ。しかし5月30日から開催されたワイヤレスジャパンの基調講演で、KDDIの田中孝司社長はマルチデバイス戦略による幅広い選択肢の提供をあらためて約束し、スライドにWindows Phoneが登場した。今後もWindows Phoneにとって最重要なキャリアといってよいだろう。
次にNTTドコモの発表会では、プレゼンテーション中にWindows Phoneに関する言及はなかったものの、山田隆持社長との質疑応答で前向きな回答を得ることができた。
山田社長によれば、それほど機種は多くないものの「冬モデルで検討している」とのことだった。具体的にどのようなモデルになるのかは分からないものの、これまでWindows Phoneの動向を静観してきたこともあり、満を持してドコモらしい端末を発表するのではないかという見方が有力だ。
最後に、ソフトバンクとウィルコムの合同発表会で、孫正義社長にWindows Phoneの発売可能性を尋ねてみたものの、「将来のことはコメントできない」との回答にとどまった。
ウィルコムは過去に複数のWindows Mobile端末を発売しており、古くからのスマートフォンユーザーにとってなじみ深いキャリアだ。また、ソフトバンクも2011年11月と2012年2月、Windows Mobile機をプリモバイル端末として復活させている。Windows Phone世代でも、両社による何らかのコラボレーションに期待したいところだ。
6月5日から台湾ではCOMPUTEX TAIPEI 2012が開催されている。Windows Phoneについては、海外メーカーによる展示が期待できるほか、6月6日にはCOMPUTEX FORUMでMicrosoftのOEM部門からスティーブン・グッゲンハイマー氏が登壇する。筆者も現地で取材する予定だ。
もう1つ、6月20日には、Microsoftによる招待制のカンファレンス「Windows Phone Summit」も予定されている。まだ詳細は不明であるものの、基本的にはパートナー企業向けのイベントになるという。このイベントでは、「Windows Phone 8」の新情報が公開されるのではないかと注目が集まっている。Windows Phoneのメジャーバージョンアップに向けて、最初の一歩を踏み出す1カ月となりそうだ。
Windows Phoneに関するニュースやアプリ、開発者向け情報を扱うブログ「ななふぉ」(http://nanapho.jp/)管理人。Tipsやハックに加え、Marketplaceの分析や海外取材も好評を得ている。Twitterは@tezawaly。ななふぉのFacebookページ(https://www.facebook.com/nanapho.jp)も公開中。趣味は自転車旅行。
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