KDDIのJavaは何が変わるのか?──進化するezplus

12月の新端末では,Javaサービスもフェイズ2に移行し,大幅な改善が行われる。

【国内記事】 2001年10月2日更新

 NTTドコモのJava対応端末「503iシリーズ」は売れ行き快調で,J-フォンのJava対応機「J-SH07」も大人気。対して,今ひとつ影が薄いのがKDDIのJava対応端末だ。

 日立製作所製の「C451H」(7月23日の記事参照)とカシオ計算機製の「C452CA」(9月4日の記事参照)は,実力のある端末ながら売れ行きは今一歩の模様。

 その理由はいろいろあるだろうが,中でも大きいのは“特別扱いのJava端末”であることと,“Javaの仕様”にあるのではないだろうか。

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ついにHTTP通信が可能に

 かねてからの発表どおり,12月に登場する新端末からはすべての機種がJavaを搭載する(9月20日の記事参照)。併せて,Javaの仕様はフェイズ2に移行し,主に以下の点が改善される。

JavaからのHTTP通信,HTTPS通信のサポート
Javaからのmail to,URL to,Phone toのサポート
gpsOneからの位置情報の取得が可能に
JumonもHTTP対応に

 最も大きな変更はやはりHTTP通信のサポートだ。KDDIのJavaは50Kバイトという,3キャリアのJavaサービス中最大の容量を誇る。しかし,いかんせんサーバとのデータ通信ができないために,逆に利用できるデータ量が制限されることさえあった(9月7日の記事参照)。

 フェイズ2ではHTTP通信に加え,128ビットSSLによる暗号化を行うHTTPS通信もサポートする。HTTPS通信はMIDP(用語)の基本仕様には含まれておらず,ドコモのiアプリがサポートしている以外は世界的にも珍しい。

 さらに「ブラウザとプロトコルスタックを共通化する」(KDDI)ことでメモリの有効活用も実現する。フェイズ2でもJavaVMはAplix製のものを,WebブラウザにはOpenWave製のものを使うが,JavaVMからブラウザにアクセスできるようAPIを用意したのだという。

一般Javaアプリでも電話やメール作成が可能

 Javaから,mail to,URL to,Phone toが利用できるのも重要な点だ。これによって,Javaアプリケーションからメールを作成したり,Webへアクセス,電話をかける,といったことが可能になる。

 しかもこの機能は公式コンテンツプロバイダ向け(クラスA)/一般ユーザー向け(クラスB)を問わず,利用できるという。「クラスA,B共に,この機能を利用する際には必ずユーザーにダイアログで確認される」(KDDI)

 同じく12月からの端末の基本機能であるgpsOneから,位置情報を取得できるのも魅力だ。ブースではシーマンのJavaアプリケーションがユーザーの位置をgpsOneから取得して,「幕張にいるの?」と話し掛けてくれるデモも行われた。

 しかし残念ながら「ハイパフォーマンスモデル」がサポートするMPEG-4動画の再生は,Javaから操作できない(10月2日の記事参照)。

 担当者が「盛り込みたい機能はすべて盛り込んだ」と胸を張るJavaフェイズ2。新端末の全機種が搭載することもあり,利用できるユーザー数も格段に増加する。

 ファイルサイズ50Kバイトという武器に加え,HTTP通信ができないといった弱点も克服。HTTPS通信が可能なことで,ビジネスソリューションへの展開も可能だ。12月の新端末に期待したい。

[斎藤健二,ITmedia]

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