SPECIAL“普通”だから使いやすい──ボーダフォン3Gの「902T」を試すボーダフォンの3Gには、魅力的な新サービスがたくさんある。しかしそのサービスも、端末の使いやすさがあってこそ生きてくる。「902T」は、2Gの操作性を3G端末に取り入れ、“安心できる”使い勝手を目指した。ボーダフォン3Gの新端末「902T」の大きな特徴は、“違和感なく使える3G携帯”であること。2Gから乗り換えたユーザーが“3Gならでは”の新サービスを戸惑うことなく楽しめるよう設計されている。 もう1つは、3Gにふさわしいボディデザインやスペックを採用している点だ。大容量コンテンツを送受信可能なメールサービスを生かすため、オートフォーカス付きの192万画素カメラを装備。QVGAの2.4インチ液晶をメインディスプレイに据え、その大画面をカメラのファインダー代わりに使える回転2軸ボディを採用した。 もちろんBluetoothや赤外線といった外部インタフェースも備えており、海外でも使えるW-CDMA/GSMのデュアルネットワークにも対応している。 ボーダフォンの3G端末として久々に登場するハイエンドモデル「902T」について、「どのくらい使いやすいのか」を検証した。 使い勝手を優先──原点回帰したユーザーインタフェース902Tで注目したいのはやはりその使い勝手だ。メニューの第1階層は他のVodafone 3G端末同様、世界標準に合わせているが、コアな部分の使い勝手は日本のユーザー向けにアレンジされている。 その最たる部分がメール作成インタフェースだろう。MMSを選択すると、「宛先」「件名」「本文」などの入力項目一覧が表示され、任意の部分から入力できる。世界標準モデルで多く見られる強制開始のウイザード形式ではなく、日本の端末でなじみ深い仕様になっているのだ。
メール作成は、先にMMS/SMSの選択をするのがPDCと異なるところ。ただこれさえ済めば、MMSでは任意の項目から入力を行える。メール送信に必要な項目が最低限入力されると、項目一覧のトップに「メール送信-MMS」が現れ、送信できる
SMSでメールを作成しても、SMSで送信可能な文字数を超えるとMMSに変更するかどうか確認してくる。ボーダフォンユーザー宛てには電話番号を宛先にして大容量メールを送信できるメール仕様をうまく活用している
メールはフォルダ管理にも対応。送受信で最大16フォルダを作成でき、メールアドレスや電話番号による自動振り分けも可能だ。フォルダには任意の名前も付けられる。フォルダにカーソルを合わせるとフォルダ内の件数も確認できる
アドレス帳も、日本の端末で採用例の多いタブ形式で一覧できる。タブ間移動は左右キーのみだが、代わりに「あ行」を表示中であれば「2」キーで「い」の先頭に、「3」キーで「う」が表示される。タブ内で下のほうに並んでしまう「お」や「こ」が読みの先頭の相手でも、素早く検索できる。 待ち受け画面から上キーでアクセスできるショートカットメニューも便利な機能。9つまで機能を登録でき、数字キーの「1」から「9」でも呼び出せる。マルチアプリキーを押せば、ほとんどの場面でスケジュールやメモといったPIM機能を呼び出すことが可能。メモの内容をメール作成中にコピー&ペーストするといった操作も行える。 ショートカットが便利──198万画素カメラカメラはオートフォーカス機構付きの192万画素CMOSを搭載し、静止画は最大撮影サイズがUXGA(1600×1200ピクセル)。端末を横向きにしたデジカメスタイルでの撮影に対応し、シャッターボタンを押せばワンタッチでカメラが起動する。 デジカメスタイルではシャッターボタンの半押しでオートフォーカス、そのまま押し込めばシャッターが切れる。2段式のシャッターボタンは半押しのクリック感もしっかりしており、誤操作の心配もない。また側面中央のキーを押せば、メニュー操作で各種設定の変更を行える。 ノーマルスタイルでは、豊富なショートカットキーを使うと便利だ。撮影時に必要な操作はほとんど数字キーを押すだけで行える。「1」を押すとキーガイダンスが表示されるので、全てのショートカットキーを覚えていなくても有効活用できる。
撮影中でもメニュー操作で撮影済みの画像にアクセスできる。9コマ表示のサムネイル表示もストレスなく一覧表示できる。「お決まりアドレス」を設定しておけば、デジカメスタイルで撮影した画像を即座にMMSでメール送信可能だ
902Tのカメラは最大解像度のUXGAでも概ね300Kバイトに収まるファイルサイズで撮影される。Vodafone 3Gでは300Kバイトまでファイルを添付可能。撮影した画像を、ほぼもれなくEメールで送れるのは便利だ。 デジカメで撮った写真を「902T」で送ろうSDカードの採用により、デジカメと携帯との連携が可能な点も面白い。DCFに準拠しており、ほとんどのSDカード対応デジカメで撮影した画像を902Tで閲覧できる。300Kバイト以内であればメール送信も可能。これはSDカードを採用したボーダフォン3G端末ならではの使い方で、miniSDメモリカードの端末にはないちょっと便利な機能だ。 外部メモリはSDカード。Trascend製の1Gバイトも問題なく利用できた東芝端末初、回転2軸ボディの使い勝手は902Tは「アクティブターンスタイル」と名付けられた回転2軸式の端末。そのアプローチは、“折りたたみ型の使い勝手はそのままに、シチュエーションに応じてデジカメスタイルやビュワースタイルに切り替えて使う”というものだ。 このスタイルにしては珍しく、背面に1.1インチ112×112ピクセルのカラー液晶を備えるのも、“折りたたみ型としても違和感なく使えるように”という配慮を感じさせる。 メインディスプレイを表にして折りたたむビュワースタイルで待ち受けにしておけば、折りたたんだまま右側面のキー操作で不在着信の相手を確認したり、新着メールを閲覧したりできる。 902Tは、ビュワースタイルでの通話には対応していないが、ビュワースタイルから通話スタイルへの移行はしやすい。左手で持った場合、親指で押し出すように180度スライドさせれば通話スタイルになる。 [ITmedia] Copyright© 2005 ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 関連記事「W31T」とデキるサラリーマンの1日
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