不満は、マクロがワイド端固定で最短20センチという点。薄型コンパクトボディと回転レンズを活用して被写体にグッと寄れるフットワークを備えているだけに、このマクロの弱さは非常に残念だ。
優れた連写機能もSL300Rの大きな魅力の1つだ。
転送速度10Mバイト/秒以上のSDメモリーカード利用時なら、2048×1536ピクセルの最高解像度で1秒間に最大3.5コマの連写が行える。しかも、バッファメモリの容量制限や画像処理速度の遅さなどで連写枚数が制限されていた従来機とは異なり、SDメモリーカードの容量いっぱいまで連続撮影できるのだ。
この優れた連写機能によって、“いらない画像は気軽に消せる”というデジカメのメリットが最大限に生かせるようになる。動きの速い被写体でもシャッターチャンスを逃すことがないといった使い方だけでなく、通常のスナップショットでも連写を使うことで被写体の一瞬の表情/タイミングも逃さずに撮影可能。大容量メディアと併用することで「常に連写を活用して撮影後にPC上でベストショットを探す」といった新しい撮影スタイルが生まれるのだ。
この連写機能を可能にしたのが、画像処理システム「RTUNE」だ。京セラからは正式にアナウンスされていないが、RTUNEにはNuCORE Technologyの次世代イメージプロセッサ「CleanCapture」が使われている(CleanCaptureの詳細は別記事を参照)。
ただ、最新専用チップの高速画像処理にプレビューが追いついていないのが残念なところ。連写時にはすべての画像が表示されないので、慣れるまではフレーミングにてこずることが多かったほか、連写スピードにAFが追いつかないケースも目立った。
ここまで紹介した機能は、ベース機のFinecam SL300Rにも備わっているもの。今回のCONTAX SL300R T*で気になるのは、カールツァイス製のデジカメ用3倍ズームレンズの実力だ。
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