CE70GVは付属の液晶ディスプレイがTVチューナーを内蔵しているだけでなく、パソコン本体にもTVチューナー付きビデオキャプチャーカードを搭載している。このため2番組を2画面同時に表示したり、裏番組をHDDや記録型DVDメディアに録画することも可能だ。
TVチューナー付きビデオキャプチャーカードは、AVerMedia Technologiesの「M160-C」だ。ハードウェアMPEG2エンコーダは搭載していないが、ハイパースレッディングテクノロジ対応のPentium 4/2.80C GHzと、映像のノイズを除去して高解像度化や高ビットレート化を行う新ソフトウェアテレビエンジンにより、ハードウェアエンコードに匹敵するビットレート(8Mbps:高画質モード時)での高画質録画を実現したという。
ちなみに、最近のTVチューナー付きビデオキャプチャーカードはゴーストリデューサーや3次元Y/C分離といった高画質回路を付けるのが流行となっているが、カード上の表記を見る限り、M160-Cはこれらを使用していないようだ。しかし新ソフトウェアテレビエンジンのお陰か、TVの映りは悪くなかった。
TV視聴/録画ソフトには松下電器産業の「TVfunSTUDIO」、TV番組の録画予約ソフトにはGemstar-TV Guide Internationalの「G-GUIDE for Windows System」を使用する。このほか、ビジネスアプリケーションの「Office Personal Edition 2003」や、リモコンで操作できるメディアメニューソフトの「MyMedia」、DVDプレーヤーソフト「WinDVD」など、メーカー製のPCらしく多彩なソフトが付属している。
最近では、OSやWebブラウザなどに内在するバグやセキュリティホールの問題がクローズアップされているが、CE70GVは、OS標準の「Windows Update」以外に、富士通独自の「アップデートナビ」も装備している。同ソフトを使えば自動的に最新のドライバ情報を通知してくれるので、インターネットに接続している環境であればアップデート確認も容易だ。
CE70GVのパフォーマンスを測定するため、PCMark04と3DMark2001SEおよび3DMark03を使用してベンチマークテストを実施した。結果は以下の通りだ。
PCMark04のPCMarkスコア
PCMark04のCPUスコア
PCMark04のメモリスコア
PCMark04のグラフィックスコア
PCMark04のHDDスコア
3DMark2001SEの3Dスコア
3DMark03の3Dスコア
ハードウェアT&Lを搭載していない統合チップセットのグラフィック機能を使用しているため、PCMark04のグラフィックスコアや3DMark2001SE、3DMark03の3Dスコアは振るわない。最新の3Dゲームソフトを満喫するのはあきらめた方がよさそうだ。
しかしそれ以外の性能は高く、3Dゲーム以外であれば高速な動作が期待できる。また、負荷のかかるベンチマークテストの実施中でも騒音は抑えられており、CPUファンが高速回転する起動時以外はノイズがさほど気にならないのもうれしいところだ。
省スペース筐体でありながら、基本性能が充実していて拡張性も備えている。CE70GVは自室に置くパソコンとして、さまざまなホームエンターテイメントに活用できるだろう。
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