ハイレベルのDVDオーサリングが手軽に作成できる――Ulead DVD Workshop 2 Professional(2/2 ページ)

» 2004年04月20日 15時43分 公開
[星 紀明,ITmedia]
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DVDメニューはウィザードでラクラク作成

 DVD Videoの作成で、もっとも凝りたいところなのになかなかイメージ通りにならないのが、DVDメニューではないだろうか。DVD Workshop 2 Professionalの場合、「メニュー」ステップで細部までこだわったDVDメニューが作成できる。

 DVDメニューを作成する方法は何通りかあるが、もっとも簡単なのはウィザードを使う方法だろう。好みのテンプレートを選ぶだけで、「編集」ステップで設定したチャプター情報が反映されたDVDメニューが自動的に構成される。背景やサムネイル内の映像が動く「モーションメニュー」にも対応しているほか、テキストの加工・変形機能も充実していて、凝れば凝るほど見映えのするDVDメニューを作れるのが楽しい。

サムネイル付き、テキストのみを合わせて66種類のメニューテンプレートが用意され、ウィザードから簡単にDVDメニューが作成できる

コピープロテクトやリージョンコードも設定できる

 最後の「完成」ステップでは、作成したプロジェクトをPC上でプレビューしたり、ブランクDVD±R/RWに書き込むことができる。その際、ディスクにMacrovisionのコピープロテクトをかけたり、リージョンコードを設定できることもこのソフトの特徴だ。

 一般家庭でこれらの視聴制限機能を使う場面はほとんどないと思うが、例えばオリジナルビデオ作品をネット販売するなど、小規模でDVDプロダクトを流通させたい場合には役立つだろう。

 また、DVD Workshop 2 Professionalでは、DLT(Digital Linear Tape:DVDのプレスに使われるマスターテープの規格)への出力も可能で、本格的なDVDの大量プレスにも対応できる。

ディスクに書き込む際、コピープロテクトやリージョンコードを設定して視聴範囲を制限できる

価格は高いが、作業効率のよさには魅力あり

 以上のように、業務用ソフトにも適用できるだけの機能を持ったDVD Workshop 2だが、一番のネックはやはり価格だろうか。機能的に充実しているとはいえ、標準版で5万9800円(税別)という価格は、おいそれと手の出せるものではない。操作性やインターフェイスも決して「直感的」とは言い難く、マニュアルなしでは基本的な操作でも戸惑う場面があった。

 だが、付属のユーザーズガイドが非常にわかりやすくまとめてあるのは救いで、これを見ながら操作すれば、一通りのことはすぐに把握できるだろう。

 筆者が特に気に入ったのは、作業効率のよさだ。筆者自身もこれまではPCのバンドルソフトでDVDを作成していたが、動画の再エンコードやDVDメニューのビデオ変換などで、1枚作るのに3〜4時間もかかることにうんざりしていた。それがDVD Workshop 2 Professionalでは、30〜40分程度で済んでしまった。

 素材として使う動画の形式や収録分数などによっても所要時間は変わるが、動画の編集やDVDメニューの作成が思い通りにこなせて、なおかつ所要時間をこれだけ短縮できるのなら、この値段でも筆者は「買い」だと思う。

 また、多彩な機能を少しずつ覚えるうち、それらを取り入れて「今度はこんな作品を作ってみよう」という創作意欲を駆り立てられる。DVD-9に対応したドライブやメディアが登場したら、それを使って長時間ディスクを作ってみたいとも思う。こんな懐の深さもこのソフトならではの魅力だろう。

 なお、同時発売の「Ulead DVD Workshop 2」は、DVD Workshop 2 Professionalの一部機能をカットした廉価版だ。こちらは、音声・字幕ともに最大2トラックまでだったり、コピープロテクトやリージョンコード設定ができないなどの違いはあるものの、編集やDVDメニュー作成などの基本部分はProfessional版と変わらない。

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