ヒートパイプ採用のハイスペックな静音キューブ――MCJ a-Best Cube51D-ITM「7万円」でオーダーする激安ハイスペックPC(2/2 ページ)

» 2004年05月13日 19時26分 公開
[古田雄介(アバンギャルド),ITmedia]
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キューブPCではの配線処理が重要なファクターに

 キューブ型筐体をベースとして自作する場合、筐体内部にスペースが限られるため、内蔵パーツのバッティングや配線の工夫、エアフローの確保など、組み立て時に注意すべきポイントが多い。

 その点、組み込んだ状態で届くBTO PCであれば安心感がまるで違う。もともと、Shuttle製のケースとマザーボードのコンビが採用され、それだけ内部設計に無駄が少ないが、きっちりとした配線処理も同社ノウハウの跡がみられる。

 では内部を見ていこう。

 すべてのベイが埋まっているため、スペースの余裕は少ない。しかし、ファンやメモリに触れているケーブルはなく、フロント部分まで空気の流れが行き通るだけのスペースは確保されている。

Cube51D-ITMの内部構造 Cube51D-ITMの内部構造。きしめん状の幅広いIDEケーブルは何段かに折りたたまれ、うまくケース側面を這って上部に伸びている

 内部を混雑させがちなフラットケーブルは適度な長さで、コンパクトに折り込まれていた。メモリスロットが3.5インチベイ下の空間にあると増設時に苦労するが、ケーブルの障害がないだけで断然組み込みやすくなるだろう。

 静音PCと銘打つCube51D-ITMの最大の特徴となるのがヒートパイプを使ったICE TECHNOLOGYの採用だ。ヒートシンクが吸い上げた熱は4本のヒートパイプを通って、内部の熱と一緒にケースファンにより排気される仕組みとなっている。

ヒートパイプ部分 ICE TECHNOLOGYの要となるヒートパイプが見える

 大型のケースファンをCPU冷却用としても兼ねるような設計となっており、ファン数の削減、大型化によって静音化が図れるうえ、ケース全体の空調が格段にスムーズになる。発熱量の多いCPUも搭載できるため、メインマシンとして必要十分に活用可能である。

 CPUの載せ替え時には、当然ながらヒートパイプを外す必要がある。内部が狭いためさすがに手間取るが、ケースファンを外してしまえば、通常のCPUクーラーと同じ要領で作業可能だ。取り付け時は、ケース側から固定できるので、見た目よりも扱いやすかったのも好感が持てる。なお、ヒートパイプの裏側は、アルミより熱効率の高い銅のプレートでできている。

ヒートパイプを外した。排気側にも熱を拡散させるシートシンクを装着している

 マザーボードは、チップセットにSiS651を採用するShuttle「FS51」となる。2002年の夏から見かける息の長い製品ではあるが、AGPスロットを搭載し、CPUはFSB 533MHzのPentium 4/3.06GHz、PC2700 DDR SDRAM 最大2GBまで搭載可能となっている。

Shuttle「FS51」 マザーボードはShuttle「FS51」

ビジネス向けなら十分なパフォーマンス。AV志向なら拡張カードで強化したい

 では、基本性能をベンチマークでチェックしてみよう。

 今回の構成は、別途グラフィックスカードを搭載せず、内蔵グラフィックス機能を用いるものとしたため、3D機能はさすがに遅れをとっているのはいたしかたない。3Dゲームを楽しむならグラフィックスカードの装着が必須だろう。

3D Mark2001SEのベンチマーク測定結果
1024×768 32ビット783
1024×768 16ビット782

 拡張の余地が少ないので大幅なパワーアップは難しいが、最大の魅力は、静音性と、記録型DVDドライブ、光デジタル出力インタフェース搭載を活かしたバランスの取れた構成そのものである。個人用AVマシンとして使うにはもってこいの製品といえるだろう。

 BTOメニューによりパワーアップするならグラフィックスカードを追加し、別途外付けTVチューナー付きビデオキャプチャーカード、光出力に対応したアンプとスピーカーなどを揃えるとより楽しめるAVマシンになることであろう。


 なお、このITmediaオリジナル7万円モデルと同じものをITmedia読者用にご用意いただいた。そのまま購入していただくもよし、BTOにてもう少しパワーアップするもよし。少しでも「おっ。いいかも」と思った読者は、この機会にぜひともお買い求めいただきたい。(表示価格は税込み)

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