ダウンサイジングを追求するほど、内部スペースの配置には工夫が必要になる。パーツ同士のバッティングはもとより、効率的な空調の工夫が要求されるわけだ。奥行きと高さは、ほぼブック型のそれと同等で、コンパクトにまとめてられる。
では「Compact-CB-ITM」の内部処理を見ていこう。
内部スペースを見ると、各パーツが高い密度で組まれているのが分かる。一見、余裕がない構成だが、AGP、PCIスロット部には十分な空間があるので、増設に手間取る心配はない。また、3.5インチシャドーベイの増設は、フロントパネルから行うなどの工夫も凝らされている。
3.5インチシャドーベイは、フロントパネルから引き出せるスタイルのドライブが採用され、内部からコネクタさえ引き込めば、手軽に増設できるのはうれしい。ベイの前面に取っ手が付けられ、引き出して作業できるのである。HDDは、メンテナンス中の不注意が故障につながりやすい繊細なパーツだけに、この配慮はありがたい。
内部が過密な分、冷却関連のパーツは万全を期しているようだ。
前面と背面に計3基の6センチファンが装着可能で、前面にはすでにファンが装着されている。ただデフォルト構成では、HDDなどフロント上部の熱を逃がしにくいと思われるので、熱が気になるユーザーは背面ファンも追加するとよいだろう。ちなみに、動作音はリテールのCPUファンの音が聞こえる程度で、ケースファン、電源ファンとも気にならないレベルであった。
ただし、サイズの制限もあって仕方ないのだろうが、光学ドライブがCPUファンの3分の1程度を覆ってしまっているのが少し気になる。microATXマザーを採用したこと、5インチベイを縦に設置する構造が重なり、リテールファンと光学ドライブがこのような状態になっているわけである。とはいえ、通常利用においてシステムに深刻なダメージを与えるほどではないだろう。
ただし、拡張ボードを数枚差してヘビーな作業を行うなら、先ほど紹介したように背面ファンの追加など、冷却性能の強化をおすすめしたい。
では、基本性能をベンチマークテストでチェックしてみよう。
全体の構成は、フルスペックのミドルタワーマシンにも匹敵する結果だった。FSB800MHzで動作するCPUとメモリのコンビネーションがスコアを押し上げている。3D性能もオンボード機能を利用したことを考えれば、十分な値だろう。
PCMark04のベンチマーク測定結果 | |
HDD Score | 3866 |
Graphics Score | 651 |
Memory Score | 3254 |
CPU Score | 4188 |
PCMark Score | 3265 |
追加のパーツなしで満足に使えるうえ、DVD+-R8倍速記録対応のDVDドライブを搭載し、AV系の作業も余裕でこなせる。加えて、BTOメニューでグラフィックスカードや2台目のHDDを増設しても、10万円以内でハイスペックなマシンが組みあがるコストパフォーマンスは買いだ。なお、BTOメニューよりディスプレイを追加することもできるので、スタイリッシュな大画面液晶に残りの予算を回すというのもよいだろう。
なお、このITmediaオリジナル7万円モデルと同じものをITmedia読者用にご用意いただいた。そのまま購入していただくもよし、BTOにてもう少しパワーアップするもよし。少しでも「おっ。いいかも」と思った読者は、この機会にぜひともお買い求めいただきたい。(表示価格は税込み)
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