わずか16.7ミリの厚さで2.8倍光学ズーム――EXILIM EX-S100(2/3 ページ)

» 2004年09月14日 11時58分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

ややレトロチックで高級感があるデザイン

 薄型軽量ではあるが、最軽量ではない(100グラムは越えてしまっている)。でもその分、ボディの材質はいい。すごく高級感がある質感で、「ファイン・ブラスト・トリートメント」という処理を施したステンレス製。レンズ部のデザインも重厚なメカっぽくてなかなかだ。

レンズはしっかり鏡胴の中央にあってバランスがよく、EXILIMのロゴ部分はグリップしたとき指がかかって安定するよう考えられている。なかなかすぐれたデザインだ
本体の厚さはもっとも厚いところで16.7ミリ。レンズが出ててもこの薄さだ

 ユーザーインタフェースはEXILIM ZOOM系とまったく同じで、小型化したからといって犠牲になった箇所はない。これは素晴らしい。

 上面には電源スイッチとシャッターボタンがある。どちらのボタンもすごく細長いところが薄さを強調している。

上面には電源スイッチとシャッターボタンのみというシンプルな構成だ

 背面にはお馴染みとなった、ダイレクトオン・オフ機能付の再生・撮影ボタンがある。他のEXILIMではアイコンに再生は緑、撮影は赤が塗られているのだが、S100ではデザイン重視で色はなしとなっている。

 これだけ小さなサイズながら液晶モニタは2インチ。ただし光学ファインダはなし。英断であろう。

EXILIMシリーズ最小最軽量のEX-S20、最新のEXILIM ZOOMであるEX-Z55と並べてみた。EX-S20よりはちょっと大きいがEX-Z55に比べると大幅に小さくなっているのが一目瞭然だ

 モニタの右側にはズーム、十字キー(円形ではなくて角が丸い四角で、中央にOKボタンがある)、メニュー、ディスプレイという馴染みの構成だ。

 しっかりとリアルタイムヒストグラムもあるし、撮影機能も上位モデルと変わらない。小さいからといって機能面での割愛がないのは素晴らしい。EXILIM Z55と同様に、ビジネスショット機能もしっかり持っている。

背面は光学液晶がない以外はEXILIM ZOOMと同じ。ダイレクトオン・オフ対応の撮影/再生ボタンや四角くて押しやすい十字キーなどなかなかしっかりしている。画面を見て分かるように、RGB対応のヒストグラム表示など、機能も上位モデルを継承した
メニューも上位モデルと同等で4ページ分もある
ベストショット機能も健在。もちろん名刺やホワイトボードを撮る機能もある

 バッテリーは3.7ボルトの680mAhと薄型のものを採用したため、撮影枚数はCIPA規格で180枚にとどまっているが、それでも薄型コンパクト機としては優秀な方だ。このあたりはさすがである。

 記録メディアはSDメモリーカード。底面のカバーをあけて出し入れするが、本体が薄型なだけに出し入れしづらい。メディアは入れっぱなしにして、普段はクレードルで充電、クレードルで画像転送と、カバーは開けない使い方が向いている。

 底面で注目すべきは、三脚穴があること。超薄型デジカメで最初に犠牲になるのはやはり三脚穴だったりするしそれまでのカードタイプEXILIMにもなかったのだが、S100では見事に三脚穴を搭載してきた。このあたりにも、超薄型軽量のカード型を目指しつつも、コンパクトデジカメとしての機能は削らないというコンセプトが見える。

底面には薄型バッテリー(3.7ボルトで680mAh)とSDメモリーカードが。蓋は開けづらいが、クレードルを使っていれば普段は開け閉めしないで済むだろう。三脚穴がある点にも注目
EXILIMではお馴染みのクレードル。白が基調でなかなかカッコいいデザイン。スライドショーを開始するPHOTOボタンと、パソコンへ画像転送を行うUSBボタンがある

レンズの暗さ以外はよくぞここまでやった

 かくして、とうとうウエアラブルを標榜したカードサイズEXILIMも光学ズームモデルとなった。さすがに初期の固定焦点パンフォーカスモデルに比べると厚くはなったが、光学ズームデジカメとしては世界最小最薄で(重さは100グラムを越えるので最軽量ではない)、それでいて質感も機能も妥協がない。胸ポケットに入れて違和感がない、バッグの名刺入れ用ポケットにすっとおさまるスマートさは随一だ。

 ただし、気になるのはレンズの暗さ。レンズが暗い分、オート感度だと増感されるケースが増えてしまう。価格も300万画素ズームコンパクトとしては高めだ。

 でも超高画質を求めているわけじゃないからそのくらいは気にしない、超小型で常時携帯できて必要なときにさっと使える方が重要だ、さらに安っぽくない高品位な質感も重要だという人には是非手にしてもらいたい。ビジネスマン向けの機能も充実しているし、機能は削られてないのでその気になればけっこう凝った撮影もできるはずだ。

EX-S100、作例

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