EX-VISION 1500TVは、CONEXANTのエンコードチップを搭載したハードウェアエンコードタイプのキャプチャーカード。MPEGへの圧縮を専用チップで行うため、CPUパワーをほとんど必要としないのがメリットだ。高画質設定でもコマ落ちのない録画ができるだけでなく、録画中でもPCをほかの用途に利用できる。
高画質化の機能として、映像の二重写りなどを防止してくれるゴーストリデューサや、色にじみを防止する3次元Y/C分離回路などをカバーしているので、きれいな受信映像が得られるのもEX-VISION 1500TVのメリットだ。高画質機能をサポートしたキャプチャーカードの多くは、ロープロファイルに対応していないため、EX-VISION 1500TVは、カスタムメイドTVモデルのような省スペースPCで利用するのに最も適しているということができるだろう。
PCの録画では、インターネットの番組情報を利用した録画予約機能を利用するのが当たり前になっている。EX-VISION 1500TVを利用するためのコントロールソフト「INFO.TV Plus」では、「ADAMS EPG+」を利用できる。ADAMS EPG+は、インターネットや放送電波から番組情報のデータをダウンロードし、番組表を表示することができる。録画予約をしたい場合には、番組名をマウスでクリックするだけでOKだ。
INFO.TV Plusでは、手動による録画予約のほか、番組のジャンルやキーワードなどを使った「おまかせ録画」機能もサポートしている。ここでキーワードを設定しておくだけで、条件に合致する番組はすべて自動的に録画してくれる便利機能だ。複数の設定条件を管理することが可能なだけでなく、それぞれをオンオフすることもできる。
カスタムメイドTVモデルでは、組み合わせるディスプレイを三つの製品から選ぶことができる。今回試用したのは、その中で最もハイエンドのセットとなるシャープ23インチ液晶モニタ「IT-TV IT-23M1」である。
IT-TV IT-23M1は、PCと接続可能なハイビジョン対応ワイド液晶ディスプレイだ。D4端子を1系統、Sビデオ/コンポジッと入力を2系統持ち、PCとの接続はアナログ15ピン(D-SUB)とDVIに対応している。
地上波アナログチューナーを内蔵しており、PCの電源を入れずともTVの視聴ができる。PCを起動していても、入力モードを「TV」にしておけばディスプレイ側のチューナーで視聴が可能なため、PC側で別の番組を録画すると同時に、別の番組の視聴が可能になる。裏番組の録画というと、キャプチャーカードを復数枚同時に使用して実現することが多いが、ディスプレイにチューナーが付いていれば、より簡単に実現できるのである。
PCのディスプレイとして使う場合、最大解像度は1366×768ドットと、一般的なWXGAよりも横広な画面となる。ウインドウを横に並べて使うときなどに重宝する。最大輝度500カンデラ/平方メートル、コントラスト比550:1と、かなり明るく鮮やかな表示であり、動画の再生はかなりきれいだ。応答速度も十分速く、動きの早いプログレッシブ映像の再生でも、気になる残像などは確認できなかった。
録画した映像の再生では、17〜19インチのPCディスプレイと比べても、その迫力はかなりのものだ。筆者は通常、ネットプレイヤーを利用して、家庭用TVで楽しんでいるのだが、このディスプレイならPC用といえども十分に鑑賞に堪えうると思えた。PCとTVをひとつにまとめたいと思っているユーザーには、最適な選択肢となるはずである。
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