先日アキバで行われたECSのプライベートイベントで、初めて公開されたちょっと変わった拡張スロット「PCI Express Lite」。イベントではPCI Express X16相当のスロット、と説明されていたその正体について、ECSから正式なコメントは今のところ出ていない。
ECSといえば、Intel 915ファミリーのチップセットで本来サポートされていないAGPを使えるようにした「AGP Express」という、いかにも過渡期に登場する「一つの製品に新旧規格を同居させる」ためのスロットが有名。このスロットを載せた915P-Aは「コストを抑えてPCI Express(とLGA775対応CPU)に移行できる」ということでユーザーから大いに注目された。
ただし、肝心のAGP Expressスロットに差したグラフィックスカードのパフォーマンスが、AGP 8Xスロットに差した場合に比べて25〜50%程度低下するため、3Dグラフィックスを重視するユーザーには、なかなか決断しがたいマザーでもあったようだ。
さて、そんなECSが開発したPCI Express Liteは、PCI Express X16の外部スロットをサポートしないIntel 915GVでもPCI Express X16対応グラフィクスカードを使えるようにしてくれる。「予算がないからとりあえず統合型チップセットマザーで1台組み立てて、あとからハイエンドのPCI Express X16対応グラフィックスカードを購入しよう」というユーザーにとって、このスロットは実に魅力的かもしれない。
ただ、ここでも気になるのがAGP Expressで問題になった「差したグラフィックスカードのパフォーマンス」だ。正規のPCI Express X16に差した場合とPCI Express Liteに差した場合とでパフォーマンスに大きな違いが出るようでは、パフォーマンスを重視するユーザーにとって無視できるものではない。
というわけで、PCI Express Lite搭載マザー「915-A」を使って、マザーボードとしてのパフォーマンスと同時に、一番気になるPCI Express Liteに差したグラフィックスカードのパフォーマンスも検証してみたい。
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