2004年は、家庭用HDD/DVDレコーダーにもEPGが一気に普及し、2番組同時録画が可能な製品も登場するなど、従来からの“PC録画派”はちょっと悔しい思いをした年だった。
しかし、2番組同時録画対応のWチューナー付きで、さらに複数枚設置可能となっていることにより最大6番組同時録画を可能とする、PCならではの拡張性も備えたキャプチャーカードがアイ・オー・データ機器より発売された。それが「GV-MVP/RX2W」だ。
今回は事後で恐縮なのだが、何かと見たい番組が重なるお正月向け放送を、「もれなく」録画するためにGV-MVP/RX2Wを2枚導入し、複数番組同時録画を行ってみた。
GV-MVP/RX2Wは、1枚のPCIカード上に2つの地上波チューナーとハードウェアMPEGエンコーダを搭載し、2番組同時録画可能なキャプチャーカードだ。ゴーストリデューサーや3次元Y/C分離といった高画質化回路ももちろん2系統装備し、いまどきの高機能TVキャプチャーカード2枚分の機能を備えている。
なお型番からも想像できる通り、同時期に発表された同じく複数枚差しが可能な「GV-MVP/RX2」2枚分の機能を、やや長い2階建て基板などを採用にすることでスタンダードなPCIカードサイズに収めた製品だ。カード上にはPCIブリッジチップが搭載され、PCからは2基のTVキャプチャーカードとして認識されるようになっている。
さてこのGV-MVP/RX2Wは、1枚でチューナーを2基搭載するわけだが、内部でアンテナ分配機能を備えていることで、接続するTVアンテナケーブルは1本ですむ。外部入力端子が1系統となる点が「GV-MVP/RX2」を2枚利用する場合と異なるわけだが、多くの人にとって大きなデメリットとまではならないだろう。
また、GV-MVP/RX2を2枚購入するより実売価格(ITmedia Shoppingで最安値をチェックする)で見てもリーズナブルで、複合製品は実は割高といった価格面でのネガティブな要素もない。
そしてもう一つの大きな特徴として(GV-MVP/RX2WだけではなくシングルチューナーモデルのGV-MVP/RX2との共通特徴ともなるが)、複数枚差しが可能となっていることである。
GV-MVP/RX2Wは最大3枚同時搭載に対応し、最大6番組の同時視聴・録画が行えるようになる(一方、GV-MVP/RX2は最大6枚搭載可能で6番組同時録対応)。
例えば、PCIスロットが多くても2本ほどのキューブ型やスリムブック型PCでも2台搭載で最大4番組、PCIスロットが3〜4本搭載されるMicroATXマザーを採用するPCでも最大6番組同時録画を実現できる。さすがにロープロファイル対応ではないため、ロープロPCIのみ対応のPCなどには搭載できないが、コンパクトPCを超多機能なVAIO type Xなみのビデオレコーダーにすることも可能なわけだ。
なお蛇足だがVAIO type Xといえば、6(+1)番組の同時録画に対応し、多機能高画質のエンコードチップ「XCode II」を搭載するが、先日、同チップを採用する高画質志向のキャプチャーカード「GV-MVP/GX」(関連記事参照)も発表された。発売は1月末発売予定となっている。こちらはシングルチューナー仕様だが、最大6枚差しに対応する。
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