低価格ノートPCというと企業の大量導入向けという需要が多いためか、 デザインにあまり配慮のない製品も多い。この点、WV710はいわゆる銀パソデザインで、とくにデザインに凝っている、とはまでは言わないが、よくある「バリュークラスノート」を感じさせないデザインだ。奥側から手前に向かって薄くなっているウエッジシェイプのデザインは、シャープな印象を与えると共に、キーボードに適度な傾斜も付けてくれている。
キーボードはA4ノートらしく19ミリピッチが確保され、[ENTER][BACKSPACE][SHIFT]といった使用頻度の高いキーも大きめにレイアウトされている。カーソルキーも手前に引き出され独立したポジションを確保。[ENTER]キーより右側にもキーが配置されている点は「筆者」は好みではないのだが、[PgUp][PgDn]が縦に並んでいるのは感覚的には悪くないし、結果的に[Fn]キーを併用する機会が減るという点では悪くない。
キータッチも及第点。少なくとも安っぽい「へなへな」という感じない。ポインティングデバイスはフラットパッドだが、右端のスクローラとして機能する部分に境目を設けてきっちり分離しているのもよろしい。コストを掛けずに使いやすさを加味したいいアイデアだ。
インタフェースは両側面に集中しており背面にはディスプレイ出力のみ。右にPCカードスロット、IEEE1394、USB2.0×3、DC入力、Sビデオ出力を、左側面にLAN、モデムを備える。とくに不満は感じない。
なお、本製品では基本的にCPUファンが常時稼動しているが,ボタン操作でCPUクロックを落とし,ファンを停止させる機能が付いている。原始的だが,ファンを停止した状態でも動作が緩慢になったなという印象は受けない。静穏性にもきちんと配慮しているわけだ。
6万9800円という価格ながら基本性能は実用十分なWV710。もちろんイマドキCD-ROMドライブはないだろう、という思うユーザーも多いだろう。だからといってWV730やWV750を選択すればいいのかというと、それもちょっと違う気がする。
例えばWV730との差額は1万5000円だが、この差額があれば外付けの最新記録型DVDドライブが買えなくもない。少なくとも省スペースPCとして使うなら、筆者なら迷わずWV710を買って、必要なときだけ外付けのDVDドライブを接続する。そのほうがお得で、かつ使い勝手はさほど変わらない。ソーテックには「迷惑な」評価も知れないが、それだけWV710のお得感が強烈のだ。
WV710には無線LANが内蔵さていない(BTOでも選択できない)ことを気にするユーザーも多いかもしれないが、これも実用面としてはノープロブレム。802.11bでいいならそれこそ2〜3000円で無線LAN PCカードは購入できるし、無線アクセスポイントとルーターでもセット商品だと無線LAN PCカードは「おまけ」みたいな値段で付いてくる。メモリカードスロットがあるので、PCカードスロットが無線LAN PCカードで占有されていても別にいいのでは、と思う。
WV710は間違いなくお得だ。もちろんこれといって秀でた特徴はないが、基本性能は十分で使い勝手に大きな不満もない。なによりデザインが悪くない。ちょっとした機能不足は格安の周辺機器で補えば価格のインパクトも失わずに済む。
バンドルソフトはマカフィーセキュリティーセンターの90日版のみと極めてシンプルで、初めてのPCでとにかく色々なことに使って見たいという人には向かないだろうが、インターネットの利用が中心というユーザーや、セカンドPCとして使うのであれば困ることもないだろう。繰り返しになるが、6万9800円という価格でこのようなノートPCを実現したソーテックには拍手を送りたい、そんな気持ちにさせてくれる製品なのだ。
PCMark04 Results | |
PCMark | 2354 |
CPU | 2889.0 |
Memory | 2480.0 |
Graphics | 487.0 |
HDD | 2190.0 |
WMV Video Compression | 36.5 |
DivX Video Compression | 42.4 |
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