ちなみにこのリストウインドウは、PCastTVから直接呼び出すことができ、ここに羅列されたファイルをPCastTV上で再生したり、PSP対応MPEG-4変換のほか、WMV、DivXなどの圧縮ファイル形式へ変換できる。
なおトランスコードは、PCastTV上からではなく別途専用の「動画トランスコードツール」により作業を行う。これら機能は「VW2010」によるハードウエアトランスコードが可能となっている。一般的にトランスコード処理にもハードウェアエンコーダを活用できることは、ソフトウェア的に行うより高速で、CPU負荷も低く抑えながら変換が行えるのがメリットとなることが多い。
ちなみに30分のビットレート4Mbps CBRのMPEG-2ファイルを2Mbps CBR MPEG-2にトランスコードするのにかかる時間は約30分。4Mbps CBRのMPEG-2ファイルをMPEG-4にする時間も約30分。CPU稼働率こそは少ないが、ほぼ等倍速で高速化はされなかった。
たとえば統合エンコードチップ「XCode II」搭載するアイ・オー・データ機器「GV-MVP/GX」(レビュー参照)の場合も、トランスコード時にハードウェアエンコードチップが使用でき、かつ高速変換が行える。この点ではハードウェアエンコードチップを使用したトランスコードと言うと個人的には高速になるという勝手なイメージを持っていたので、さほど高速化されるわけではないのには少々物足りなく感じる。
ただし同ツールを使った場合でも、5分の同機標準MPEG-4映像(ビットレート4Mbps)からDivXへの変換を試してみると、約15秒と非常に高速に行えたので、ソースファイルと出力ファイルをうまく活用することで有用なツールにはなりえるだろう。ちなみにMPEG-4以外のMPEGファイル(MPEG-1/2)からAVI出力が行えないなど、用途がかなり限られているのだが。
PC-MV7DX/PCIは、まずTV視聴・録画ソフトである「PCastTV」の使い勝手が旧バージョンのそれとさほど進化はしていないように感じる。高画質化回路も排他ではなく、すべて個別設定が可能となっているなど、各種設定項目はとくに不満はないが、操作感などはマウス中心で使うことを前提にしたつくりである点などである。
ただし、MPEG-2よりファイルサイズをコンパクトにできるMPEG-4形式でハードウェアリアルタイム録画ができる機能は、PCだけで録画環境を構築し、メディアライブラリ化するといった使い方をするユーザーには大きなメリットになりえる。
もちろんそれをPSP用MPEG-4ファイルへ変換できる機能も使い勝手がよく、その“PC録画派”向けの使い方をさらに広げる機能が実現されたといえる。たとえば今後は、PSP対応ファイル形式でのダイレクト録画や、任天堂のメディア再生ソフト「プレイやん」との連携機能追加などにも期待したいところだ。
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