“限りなく液晶TV”な液晶ディスプレイの魅力――ソニー「MFM-HT75W」(4/4 ページ)

» 2005年06月10日 09時00分 公開
[浅井研二,ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       

PC作業時の“ながら”視聴に向くPIP機能

 また、PCモードではPIP(ピクチャー・イン・ピクチャー)機能も使える。サイズは大/中/小の3段階から選べ、それぞれ120×90、88×66、60×45ミリ程度。表示位置は画面の四隅(画面の上下左右端から1センチ程度の余白はつく)のいずれかを選択できる。

photo PIP表示は内蔵チューナーのほか、D端子を含む外部入力の映像も選択可能。サイズは大/中/小、位置は画面各四隅に設定できる。「サイズ大/ワイド」なら160×90ミリ程度の表示エリアとなる。また、子画面と重ならないよう、メニューウィンドウは移動可である

 この子画面にはTV(内蔵チューナー)映像のほか、ビデオ1および2の外部入力も映すことができ、D4端子から入力されたハイビジョン信号もPIP表示が可能だ。さらに、PIPはワイド表示にも対応(ただ残念ながら、リモコンのボタンでは切り替えられず、メイン画面でのビデオ表示時のノーマル/ワイド設定がそのまま使われる)。

 ワイドの場合、PIPの表示サイズは4:3モードと高さは同じで、大/中/小でそれぞれ160×90、117×66、80×45ミリ程度となる。「サイズ大/ワイド」のPIPなら、かなり広いエリアでの表示が可能というわけだ。標準ビデオ放送であれば、かえって締まって見える印象だ。一方、ハイビジョン放送では表示ドット数が少々足りないので、文字などは多少読みづらいが、精細さはそれなりに生きている。

 音質に関しては、多くのTVにおける内蔵スピーカーと同じく、やや落ち着きがない音響となるのはいたしかたないが、SRS WOW機能をオンにすれば音の広がりはかなりのものに感じられるようになる。明瞭度や音質が落ちるということもなく、むしろ向上するので、SRS WOWは積極的に使いたい。

 この音響の点も含め、「MFM-HT75W」はあくまでもPC用ディスプレイながら、液晶TVとしても十分に使用に堪えうる性能を持っている。標準TV信号、ハイビジョン信号ともに、動きは滑らかかつ自然。色合いの点でも不満はない。


 このMFM-HT75W、問題は「このサイズのディスプレイに、D4入力が果たして必要?」という点だろうか。現状では、D4端子にはデジタル放送チューナーを接続する以外の用途はあまりないが、それが求められるのはリビングなどだろう。しかし、リビング設置用としてメインTVとして利用するには、ややサイズが足りない。

 しかし、最近では家庭用ゲーム機でもハイビジョン出力が普及しつつある。また、今後はデジタル放送がより身近になるという点を見込んでの導入や、一人暮らしで気軽にハイビジョン放送を楽しみたいという目的もあり、もちろんPCをも接続したいのであれば「MFM-HT75W」は実に最適な製品といえるだろう。

前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー