“日本語力”は“ビジネス力”──オフィスで役立つ「一太郎2005 日本語プロフェッショナルシリーズ」登場(3/3 ページ)

» 2005年06月17日 00時00分 公開
[神尾寿,ITmedia]
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 もう、おわかりだろう。一太郎2005では、ビジネスに必要な論理的思考のプロセスをアウトライン機能で効率よく管理できるだけでなく、その軌跡を自動的に保存・印刷可能な形に整形してくれるのだ。「考えること=文書化」になるため、これまで必要だった清書のプロセスを省くことができる。

左側のタブで「基本編集」を選ぶと、自動整形された文書に切り替えられる。アイデアがそのまま文書になるので、清書の手間がいらない

 もちろん、これまでと同様に、一太郎2005はMicrosoft Word形式での出力も可能なので、自動整形後の文書を社内外で共有する場合も互換性の問題はない。

 一太郎2005 日本語プロフェッショナルシリーズは、「日本のホワイトカラー」のために作られた製品だ。日本語の特殊性、ビジネス慣習、日本人の思考パターンにおけるニーズをしっかりと汲みとっている。ビジネスパーソン個人はもとより、企業/部署の単位で、生産性向上のツールとして導入する価値があるだろう。

ジャーナリストの目で見たATOKの実力

 ここまでは「ビジネスパーソン」の視点で一太郎2005 日本語プロフェッショナルシリーズを紹介したが、「ジャーナリスト」の立場でもこのソフトウェアは魅力的だ。

 まず、ATOKと角川類語新辞典。

 筆者は現在、デスクトップPCの「iMac G5」とモバイルノートPCの「Let'snote LIGHT W2」の両方にATOKをインストールしており、どちらも角川類語新辞典を組み合わせている。筆者はモノ書きの端くれであるが、だからこそ、言葉の誤用や誤記は怖い。特に最近、本誌をはじめとするWeb記事の執筆が増えたことが、恐怖に拍車をかけている。

 紙媒体の場合、通常は1〜3回の校閲がある。新聞やビジネス誌には校閲の専門セクションがあり、その他の一般誌でも担当編集者が校閲を行う。文章のチェック体制が厳しい分、執筆者は「誤用・誤記があっても(恥ずかしいけれど)大丈夫」という安心感があるのだ。

 しかし、執筆から掲載までの時間が短いWeb記事では校閲の回数が少なく、さらに新聞社系を別にすれば校閲部のチェックが入らないことが多い。誤用・誤記がそのまま掲載されるリスクが高いのである。そのため原稿を書きながら言葉の意味が調べられ、誤記があればすぐさま指摘してくれるATOKの校正機能は心強い味方だ。さらに一太郎には、書き終わった文書を最後に一気に校正できる校正機能もある。必要に応じて校正内容を細かに設定することもできるので、二重に安心だ。

 また、ATOKの入力支援機能と省入力・推測変換機能は、日常利用で役立つ機能だ。前者はキーのタイプミスを補正してくれる機能。後者はよく変換する文章を最初の数文字を入力した段階で推測し、全文字をタイプしなくても推測変換してくれる機能だ。

 筆者はモバイルノートPCを常に持ち歩き、移動の合間にメール処理や原稿の執筆を行う。しかし、モバイルノートPCでは文字入力が負担になり、タイプミスも発生しやすい。この時、これらの入力支援・推測変換は便利で、かつ実用性が高い機能となる。

 「誤りのない日本語を、効率よく書いていく」

 これを実現するツールとして、筆者はさまざまな日本語入力ソフトを試してきた。その結果、辿りついたのがATOKであり、現時点でこれ以上のソフトは見あたらない。

 PCで日本語を扱うことが“あたりまえ”となった今だからこそ、日本人はデジタルの「日本語環境」にこだわるべきだと思う。よいIMEを使うことは、生産性向上という実利だけでなく、安心感・満足感の向上にもなるはずだ。

神尾寿 Hisashi Kamio



通信・ITSジャーナリスト。専業ジャーナリストとして健筆を振るうかたわら、IT企業の客員研究員として各種調査・コンサルティング業務にも携わる。主な著書や連載には、「自動車ITS革命!」(ダイヤモンド社刊)、「神尾寿の時事日想」(ITmedia BizMobileチャンネル)、「神尾寿のアンプラグドWeek」(Response)などがある。



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