以上、ハードウェア構成を中心に本機を見てきたが、最後に同社がライバルとうたうGatewayブランドのPentium D 820搭載モデル「714JP」と構成パーツを比較してみよう。
モデル名 | 714JP | MT820/2A |
CPU | Pentium D 820 | |
メモリ容量 | 1024Mバイト(512Mバイト×2) | 512Mバイト(256Mバイト×2) |
グラフィックス | GeForce 6600 | チップセット内蔵 |
HDD | 250Gバイト | 500Gバイト(250Gバイト×2) |
光学ドライブ | DVD+R DL対応DVDスーパーマルチ | DVD±R DL対応DVDスーパーマルチ |
実売価格 | 12万9800円 | 13万5000円前後 |
パーツ構成と実売価格の関係をみると714JPが上回っている。グラフィックスに関しては、ハイエンドのカードを搭載する予定のあるユーザーにとって、GeForce 6600と内蔵グラフィックスチップの比較など不要なので、714JPが優れているとは言い切れないかもしれない。
メモリ容量が標準で512Mバイトというのは、MT850/2Aがターゲットとするハイエンドユーザーにとって物足りない。おそらく多くのユーザーは2枚の512Mバイトメモリを購入してメモリを丸々交換することになるだろう。一方で、HDDを2台搭載してRAID構成にしている点は評価したい。
このレビュー記事をここまで読んできたユーザーには、T820/2Aは、そのパーツ構成からうかがえるパフォーマンスと実売価格のバランスが、ライバルと想定する714JPに一歩譲るように見えるかもしれない。
とくに、実売価格が若干高めなのは、価格が購入における重要な判断材料となるこのジャンルにおいて不利ではないだろうか。NECはこの価格差を「NECによる、より信頼性の高い品質を確保」した付加価値である、と説明する。
「NECが保証する高い品質がもたらす安心感」に714JPとの価格差分の価値を認めるユーザーに、MT850/2AをはじめとするValueOneハイエンドシリーズは広く受け入れられるだろう。そして、日本では「安心感」を重視するユーザーが多いことも、また事実なのである。
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