さて、タイプJの購入オプションの選び方を述べてきたが、前述したように筆者自身、タイプJの春モデルを愛用している。では、なぜタイプJを使っているのか。仕事柄、さまざまな製品を使うために短期間で取っ替え、引っ替えしながらさまざまなモバイルPCを使ってきた中で、タイプJに特別秀でた部分があるわけではない。
しかしその一方で、実にマジメで穴が少ない、筆者にとっての最大公約数的な製品に仕上がっている。
たとえば、取材時に使用頻度が高いデジタル一眼レフカメラではコンパクトフラッシュ(CF)を利用しているが、同時にCF型通信カードも常時持ち歩いている。数GバイトのCFを高速に読み込むにはCardBus対応の高速CFアダプタが必要で、これらを装着して持ち歩くためにはPCカードスロット×2、もしくはPCカードスロット×1とCFカードスロット×1が必要だ。
この点タイプJは、CardBus対応PCカードスロット×1のほかにType II準拠のCFカードスロット×1を備えているため、高速CFアダプタとCF型通信カードを常に装着した状態で携帯できる。
また、最近はキーボードの縦方向を詰め、実装面積を小さくし、軽量化を施している機種が増えているが、縦横のキーピッチが不均等になると指を動かす角度が変化するため、練習して慣れないとタッチタイピングでミスタッチが増えてしまう。
その点、タイプJのキーボードは約17.5ミリとピッチは小さめだが、縦横のピッチが揃い、一部に狭ピッチキーを使っているところもない。ファンクションキーとメインキーの間や、ファンクションキー4個おきに間隔が空けられているのも好印象だ。取り付けはやや甘く、多少剛性感には乏しいものの、キー配置が無理なく均等な方が個人的にはストレスなく利用できる。
また、ダブルラッチで固定される液晶ディスプレイ部分には、本体側を包むようにホールドする縁が取り付けられており、液晶ディスプレイ部を閉じると本体とぴったり合うようになっている。ちょっとしたことだが、この配慮がボディのしっかり感を高めている。
いずれもタイプJだけが持つ特徴というわけではないが、これらの要素をすべて備えた上で、1.3キロ台の重量を実現している6セルバッテリ搭載機は、実は本機しかないのだ。
今や光学ドライブは100グラムを切り、世の中では光学ドライブ内蔵のモバイルPCが主流になってきている。できればSDメモリーカードスロットが欲しい、あるいはBluetoothを内蔵して欲しいといった希望はあるが、それでも半年間、タイプJを使い続けてきたのは上記のような理由だ。
また、セカンドマシンとして利用する人にとっては、ウェルバランスな仕様・性能+モバイル機としては比較的購入しやすい価格、という点も魅力ではないだろうか。
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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2005年11月30日