ダビングOKの地デジ+HD DVD-ROM搭載ノート──富士通「FMV BIBLO NX95S/D」新世代光学ドライブ搭載ノート連続レビュー第2回(2/4 ページ)

» 2006年07月31日 09時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

鮮やかさなHD映像とPC利用のバランスに優れたディスプレイ

ディスプレイは解像度が1440×900ドットと控えめな値となっているが、その鮮やかな色彩は解像度を十分に補う充実した画質を提供してくれる

 同時期に登場した新世代光学ドライブを搭載したノートPCのなかで、本製品は珍しくディスプレイがフルHD対応ではなく、1440×900ドットの解像度を採用している。競合のハイエンドノートPCと比較してみるまで、NX95S/Dは明らかに見劣りするのではと予想していたが実際比べてみるとそうでもなかった。純粋に映像表示だけを比較してみてもNX95S/Dのディスプレイは輝度が高く発色が最も鮮やかな印象を受けた。解像度は低いが鮮やかな画質のおかげで、地上デジタル放送やHD DVDビデオの高い解像感を十分感じ取れる。さすがに、フルHD対応の製品と横並びで比較してしまうと解像度の違いは分かってしまうのだが、HD映像を楽しむ上で不満を感じるかと言われるとそうでもない。そもそも、HD対応の大型液晶テレビの多くが依然として1366×768ドット、1280×720ドットといった解像度なのだから。

 PCとして利用するときを考えたスペックバランスのよさも魅力だろう。ドットピッチは約0.25ミリだが、一般に広く利用されている17インチの1280×1024ドットディスプレイのドットピッチが約0.26ミリであるから文字サイズなどはほとんど同じになる。そのおかげでPCとして利用する場合に、ほかの汎用ノートPCと比べてもほとんど違和感は感じない。情報量とのトレードオフなので競合製品のフルHDディスプレイにもメリットがあるのは間違いないのだが、画面設定などを特別にチューニングすることなく利用できるのもユーザーにとって重要だろう。

 映像の視聴は前回レビューした「Qosmio G30/697HS」とほぼ同じ条件で行なった。HD DVDビデオの再生は「InterVideo WinDVD HD for FUJISTU」を利用しているが、これはおそらく「Qosmio G30/697HS」に搭載されていたソフトの同等品であり、視聴条件にほとんど差異はないと思ってかまわない。

Internet ExplorerをフルスクリーンモードにしてITmediaのトップページを表示。標準設定のままだが,フォントサイズなどにも無理はない
HD DVDビデオの再生に用いた「InterVideo WinDVD HD for FUJISTU」。OEMバージョンということで「FUJITSU」の名を冠しているが,特別な付加機能を持つわけではなさそうだ

 HD映像を視聴して感じるのは、やはり明るく色鮮やかな画質だ。「Qosmio G30/697HS」の画質が色も情報量も濃密であったのに対してこちらは「ハッキリクッキリ」とでも言えばよいのだろうか。いわゆるTV的な画質で見栄えよく液晶TVのそれに近い。圧倒されるような迫力はないが間違いなくHD映像であることは感じられるし、「Qosmio G30/697HS」のレビューでも触れたが、地上デジタル放送ではいい具合に「画質の荒れ」が中和されている印象も受ける。

 ただし、高解像度な静止画を表示した場合、凝視すれば液晶のドットがある程度見えてしまう。さすがに「Qosmio G30/697HS」のフルHDパネルで受けたような緻密な画像は得られない。17インチで1440×900ドットという解像度を表示する限界を感じてしまうのは仕方ないだろう。

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