「ウチは大丈夫」――アキバの中古ショップがなくならないワケ週末アキバPickUP!(1/4 ページ)

» 2007年02月12日 14時44分 公開
[古田雄介&ITmedia アキバ取材班,ITmedia]

「ネットサイクル」が10年来の移転――新旧店舗で特価品を放出

ネットサイクルの店内に貼られたセールのお知らせ

 PC-98シリーズやPC/AT互換機の中古&ジャンクパーツを販売する「ネットサイクル」が、移転セールを開催している。ネットサイクルは1999年に「超級電脳」から改名した老舗ショップで、倉田ビルにある現在の店舗は10年以上の歴史を刻んでいた。

 移転先は中古PCショップ「プロテック」の跡地。現在は不定期でガレージショップとして開放しており、倉田ビルとの契約が切れる3月末をめどに、ゆっくりと店舗機能を移していく予定という。新店舗は若干狭く、現店舗の在庫をそのまま残すのは難しい。このため、週末を利用した特価セールを続けることになった。

芳林公園の西側にある元「プロテック」の店舗。ガレージショップとして営業する予定だ(写真=左)。インクジェットプリンタ用のつめ替えインクが、100円均一で売られている(写真=中央)。1〜2年前、大手量販店が2万円で販売していたメディアクラッシャーが1000円。ほかにも掘り出し物が多数見つかる(写真=右)

 PC-Successとワンネスが続けて閉店したこともあって、ネットサイクルも営業規模を縮小するのかと思えたが、店長はいっさいの不安を持っていなかった。

「ウチはPCパーツの販売よりも、コンピューターのメンテナンスで稼いでいるから、全然問題ないんですよ。PC-98シリーズをはじめとする古いPCを修理できる人間は秋葉原でもほとんどいない。確実に需要があるので、薄利多売で無理して経営するより、はるかに安全でしょう」と自信たっぷりに語る。

 PC-98シリーズは2003年に受注を終了したものの、現在での使い続けている企業ユーザーはまだ多い。システム全体を買い替えなければならないため、中小規模の企業はWindowsやLinuxベースのPC/AT互換機には簡単に乗り換えられないのが現状という。基板がショートしても買い替えることができないため、腐食したコンデンサを交換する依頼などがネットサイクルに届くというわけだ。

「ほかにも独自の強みがあれば、簡単には潰れないですよ」と、アキバの代名詞的な存在である中古ジャンクショップの健在ぶりをアピールする。驚くほど安い掘り出し物が売られるのも、こうしたバックグラウンドあってこそだろう。

倉田ビルはLAOXザ・コンピュータ館の向かいにある(写真=左)。現店舗の店内。PCパーツやサプライ品が密集する独特の光景も、まもなく見られなくなる?(写真=中央)。今週末一番の狙い目はメカニカルキーボード「AKB-109JS」(新品)。スケルトンとブラックの2種類を、2940円で販売する(写真=右)
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